米ミシシッピ州グレナダ郡にあるペンテコステ教会牧師の息子の4歳の男の子が講壇で説教をしている姿がユーチューブ上で注目を集めている。手を振り、飛び跳ね、ハンカチで額の汗をふき、大きな声で話の内容を強調するなど福音主義大衆伝道者さながらのパフォーマンス力を見せている。米ナショナル・ジオグラフィック・チャンネルの水曜特番で「小さな説教者」として紹介された。米クリスチャン・ポスト(CP)が報じた。
彼の父親で2008年以来グレナダ郡のペンテコステ教会で牧師をしているダモン・ティプトン氏は息子カノン・ティプトン君のパフォーマンスぶりを「ものまねと神様からの召しの二つの側面が垣間見られる」とし、「子どもたちは、私たちが彼らの前で行うどんなことも吸収していくものです。彼は説教者の近くにいましたから。しかしただものまねをしているだけではなく彼の上に神の御手が特別な方法で示されているのを感じます」と述べた。
視聴者からは、このような幼い子どもを教会の説教壇に立たせるのは不適切ではないかとの議論も生じている。ユーチューブ上では、「私はクリスチャンです。子どものこのようなふるまいは微笑ましいですが、しかしむやみに説教壇に立たせるべきではありません」「子どもの振る舞いがどんなにかわいいとしても、礼拝を行う説教壇にむやみに子どもを立たせるべきではありません。まずきちんと神様の御言葉を教えられ、主と共に歩むことを教えさせるべきです」などの批判が生じている。
父親で牧師であるダモン・ティプトン氏は番組内で、幼い息子を説教壇に立たせて批判を受けていることについて「私たちはいかに息子を教会に関わらせるかという視点で説教壇に立たせてみました。彼自身とても情熱をもってやっています。私たちが息子に強いてさせたわけではありません。幼い息子を説教壇に立たせることに何か計画があるわけでもなく、今息子を説教者として用いようとしているわけではありません」と述べた。
カノン君はいつも説教壇に立とうとするのではなく、何かインスピレーションを感じたときにだけ説教壇に立とうとするのだという。ユナイテッド・ペンテコステ教会(UPCI)の教会員であるジョニー・ローリーさんはナショナルジオグラフィックの番組で「小さな彼が説教の素振りを見せる中にイエス様の姿しか見られませんでした。周りの人たち全てを幸せにしていました。彼が説教壇に立つとドキドキせずにはいられません」と述べた。
彼の説教者としてのパフォーマンスぶりは、主の召しによって行われているような気配も感じさせるという。彼が説教壇に近づくときは、聴衆席に向けて「ハレルヤ」と言いながら近づき、「主は今夜ここにおられる。その名はイエス様です。神様は唯一なるお方です。私たちは聖なる霊を必要としています。今夜ここで説教できることを嬉しく思います。私は説教者です」とマイクを用いて熱心に話すという。
カノン君はいつも父親が説教をしているところを見ており、たくさんの人の集まる場所で前に立って「説教」をするのが好きだと自分で言っているという。同教会ではカノン君が次世代の頼もしい説教者となることに早くも期待を寄せている。