キリスト教災害支援団体クラッシュジャパンは11日、3月11日に生じた東日本大震災から2か月間の被災地支援の進展状況および献金状況の詳細を報告書にまとめ発表した。
クラッシュは東日本大震災に伴い、被災地に水・食料・衛生用品・離乳食・下着・毛布・枕などを迅速に配給してきた。この2カ月間で200人以上のボランティアが支援に参加し、4カ所のベースキャンプ(遠野・仙台・那須・日立)を拠点とした東北支援に計14000時間が費やされた。ベースキャンプでは、被災状況を調査した上で135トンもの物質支援が提供された。
クラッシュでは最終的に一関市も加えた5カ所のベースキャンプを設立し被災者の精神ケア、被災地復興に焦点を当てて今後も継続的に支援を提供していくという。今後の支援提供プログラムには新たな人生、家庭を始めるスターターキット、ジャーナルやカウンセリングを利用したトラウマ対策、子どもの精神ケアなどが含まれるという。
スターターキットは那須のベースキャンプ近くにある地元教会グレース・コミュニティ・サービスによって行われ、避難所から自宅に生活拠点を移行させようとしている人々に対し、家庭用品・家具などが提供されるという。物質支援のみならず、自宅で新たな生活を始めるにあたってショッピングセンターまで被災者の家族を連れていって、被災者に必要な備品を選んでもらうサービスも行っていき、被災者の尊厳を守りながらキリスト者としての直接のコミュニケーションを行っていく予定であるという。
クラッシュの支援の中核にあるビジョンは「心のケア」を行うことにある。クラッシュで心のケアを行うボランティアらは、クラッシュのクリスチャン心のケア専門家から特別の訓練を受け被災地に派遣されるという。被災地で被災者と直接手をとり合ってコミュニケーションを図ることで、被災者へ希望をもたらすことが願われている。福島県の避難所を訪れた心のケアボランティアらは、被災者のハンドマッサージを提供しながら、被災者の精神的な状況を理解し、状況に応じて励ましの言葉をかけるなどしているという。
マッサージを通して会話が生まれ、会話を通して被災者に癒しや希望をもたらすことを目的としている。マッサージをしながら、ある被災者の女性は大震災が生じて以来初めて人前で涙を流したという。また別のマッサージを受けた被災者の若い男性は、ボランティアスタッフと3時間にもおよぶ人生を変える会話を行うに至ったという。スタッフによると「私たちは私たちの活動について紹介し、自分の証しをしました。すると彼も自分の話をし始めました。神様が彼の心を準備してくださっていたのだと感じました。それで私は彼を励まし、福音の言葉を彼と分かち合いました。その後彼は彼自身の意思でイエスを信じる決断を行い、私と共に祈るようになりました」という。
クラッシュの報告書によると、今後の計画としてはボランティアの各ベースキャンプへの受け入れ人数を拡大させ、物質的・精神的な支援が必要な被災者に地域レベルで対応していくためのネットワークを拡大していくことなどが挙げられるという。今後日本国内のみならず海外の支援ボランティアも継続的に被災地で支援活動が継続できるように調整していくという。夏に向けてさらなるクリスチャンボランティアによる支援の活性化が期待される。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
鈴木結生著『ゲーテはすべてを言った』 牧師の息子が書いた芥川賞受賞作
-
カトリック作家の曽野綾子さん死去、93歳
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(217)弱さの極限(エンディング)に寄り添う 広田信也
-
レント初日の「灰の水曜日」 ドライブスルーで灰を授ける教会も
-
バイセクシャルの黒人女優シンシア・エリボがイエス役に 配役巡り批判の声も
-
花嫁(21)希望よ 星野ひかり
-
主は生きておられる(235)昭和は遠くなっていく 平林けい子
-
ワールドミッションレポート(3月8日):トルコ 震災被災者の間で、聖書の書き写しを通して働く神
-
ウクライナの従軍チャプレン、兵士たちを支える自身の役割語る
-
ワールドミッションレポート(3月9日):タンザニア ザンジバル島のために祈ろう
-
日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請
-
カトリック作家の曽野綾子さん死去、93歳
-
教会で斬首されたキリスト教徒70人の遺体見つかる コンゴ東部北キブ州
-
バイセクシャルの黒人女優シンシア・エリボがイエス役に 配役巡り批判の声も
-
熱心な仏教徒の青年が救われた実話がベースに 伝道用トラクトを無償提供
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(2)見える困難に「苦しみ」を覚えるメカニズム 三谷和司
-
リック・ウォレン牧師、十字架にまつわるSNS上の政治的投稿を削除し謝罪
-
鈴木結生著『ゲーテはすべてを言った』 牧師の息子が書いた芥川賞受賞作
-
レント初日の「灰の水曜日」 ドライブスルーで灰を授ける教会も
-
良い心配と悪い心配 菅野直基
-
日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請
-
カトリック作家の曽野綾子さん死去、93歳
-
教会で斬首されたキリスト教徒70人の遺体見つかる コンゴ東部北キブ州
-
熱心な仏教徒の青年が救われた実話がベースに 伝道用トラクトを無償提供
-
バイセクシャルの黒人女優シンシア・エリボがイエス役に 配役巡り批判の声も
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(2)見える困難に「苦しみ」を覚えるメカニズム 三谷和司
-
リック・ウォレン牧師、十字架にまつわるSNS上の政治的投稿を削除し謝罪
-
鈴木結生著『ゲーテはすべてを言った』 牧師の息子が書いた芥川賞受賞作
-
レント初日の「灰の水曜日」 ドライブスルーで灰を授ける教会も
-
良い心配と悪い心配 菅野直基