政府非公認教会のひとつであり、先月野外礼拝を行おうとして多くの教会信徒らが拘束された北京守望教会の宗教の自由の保障について、多くの教会の聖職者らが中国政府に懇願している。
中国支援協会(CAA)によると、この様な懇願の動きは、中国共産党政権過去60年間で初めて見られる動きであるという。四川省成都の秋雨之福教会では、8日のニュースレターで「中国共産党政権過去60年間で初の懇願運動が起こっています。明日9日から本教会では中国政府に宗教の自由を求める各家庭教会の懇願運動のために3日間の祈りと断食を捧げます。主が中国非公認教会の問題解決において力を与えて下さり、懇願運動によって私たちの信仰を公にすることができるようにお助け下さるように願います」と伝えられた。
CAAによると、諸教会による懇願運動は、家庭教会の政府に対する大胆な動きを代表するものであるという。守望教会では1000人以上もの教会員の集う礼拝場所を中国共産党政府によって追いやられたことをきっかけに、中国各家庭教会の政府に対する宗教の自由懇願運動が高まることになった。
守望教会のような中国政府非公認教会の礼拝は、三自愛運動やカトリックの中国天主教愛国会と連携した礼拝以外の礼拝を行うことを許可されていない。米非営利調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、2007年の中国政府非公認教会会員数は5千万人から7千万人に上るという。一方で中国政府公認教会に在籍する信徒数はその半分以下であるという。
今年に入り、2010年から2011年にかけてチュニジアで起こった革命である「ジャスミン革命」がエジプトなど他のアラブ諸国へ広がり、各国長期独裁政権に対する
変革・暴動を促していることを受け中国政府は教会の規制を強化するようになってきている。
中国政府は1000人以上の信徒を抱える守望教会のような非公認教会をより小さな集団に分割させ、政府の認可を受けた教会内で礼拝させようとしている。守望教会では礼拝場所を奪われ、野外礼拝せざるを得なくなったものの、先月野外礼拝を行った結果100人以上の教会員が中国政府によって逮捕された。
それにも怯まず、教会員らは24日のイースターに野外祈祷会を開催し、また室内で通常通り礼拝しイースターを祝えるように中国政府から許可を得ようと取り組んだ。CAAによると、国際的な政府への懇願の取り組みにもかかわらず、イースター礼拝では数十人が拘束され、少なくとも500人が自宅に軟禁されることになったという。
現在他の非公認諸教会がひとつになって中国政府に「宗教の自由」を懇願する動きが高まっている。CAAではこの動きを「悪化する現在の中国地下教会の状況を変化させ、中国人民共和国憲法で保証された宗教の自由を確固たるものとするための新たな章に突入する歴史的な機会が訪れている」と見なしている。
米首都ワシントンD.C.では9日、10日にかけて米中戦略・経済対話が開催されている。米政府側から16人の高官、中国政府側からは20人の高官らが集い、両国間の幅広い問題について意見が交わされている。
対話では米高官から中国高官に、同国内の「反乱因子」に対する規制を緩和するように強い要請が行われている。ロイター通信によると、バイデン米副大統領は「人権問題において両国間に大きな意見の隔たりがある」と述べているという。オバマ政権は中国共産党政権に対し、引き続き人権に対する意識を啓発するよう取り組んでいく方針であるという。