日本を代表する説教者として知られる加藤常昭牧師の伝道開拓50周年の記念シンポジウム「教会形成としての説教」が11月20〜23日、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で開催された。23日、キリスト品川教会で行われた公開記念集会には350人以上が詰め掛けた。
加藤師は「これからの日本の教会の伝道を、どのように考え、実践するのか。日本のプロテスタント教会の伝道の停滞を嘆き続けること久しい。教会の現実を問わなければならない。そして、伝道できる教会に生まれ変わらなければならない」 と危機感を表明したうえで、「ひとりの魂が崩れてしまっているとき、それを再建してあげる言葉、新しい家として建て直してあげる言葉が預言なのである」と伝道の意義を説明した。
シンポジウムには、フレデリック・ヘルリット・イミンク師、クリスティアン・メラー師、シュテファン・イェーガー師など海外からも多数のゲストが参加した。
当日行われた記念講演会での説教内容は、『加藤常昭 CD全集ー人を造り上げ、教会を造り上げる説教(加藤常昭師伝道50周年記念講演会)』という形でCD化され、2007年1月15日に日本FEBCから発売予定だ。
加藤師は日本基督教団の牧師として活躍したあと、説教塾などを通じて次世代の指導者の育成に尽力している。ハイデルベルク大学名誉教授。主な著書に『聖書の読み方』『教会に生きる祈り』『祈りへの道』、『ハイデルベルグ信仰問答講話(上・下)』『雪ノ下カテキズム』、『加藤常昭説教全集』(全20巻)、『ヨハネによる福音書講解説教』(全5巻)などがあり、主な訳書にはトゥルナイゼン『牧会学』、ボーレン『説教学』『天水桶の深みにて』、バルト『福音主義神学入門』、ヴァイツゼッカー『想起と和解』『良心は立ちあがる』などがある。
加藤常昭(かとう・つねあき)
1929年、ハルピン生まれ。東京大文学部哲学科、東京神学大修士課程卒業。元・日本基督教団鎌倉雪ノ下教会牧師、元・東京神学大教授(実践神学)、日本基督教団隠退教師