高円寺教会(カトリック東京教区)に赴任した最初の一年に84人もの受洗者を出し、「カリスマ神父」との異名を持つ晴佐久昌英神父が4日、「国際聖書フォーラム2006」(財団法人日本聖書協会主催)で講演した。神の愛を伝える晴佐久神父の講演に、会場は宗教や教派の違いを越えて温かい雰囲気に包まれた。
晴佐久神父は、『宣言』という言葉の重要性を語った。『宣言』とは、「絶対的な権威が、その権威の下にあるすべての者に対して、もはや撤回不能で、そのときからすでに現実になる絶対的な効力をもって発するもの」であると定義した。
「この世界は神の宣言によって成り立っている。神の宣言によって私は今生きている」「神はご自分の宣言を実現するためこの世に一人子を送った」と神の宣言の絶対性を説き、「キリストは神の宣言そのもの」「私たちが聖書の宣言を耳にしたそのとき、それは実現しているのです」と信仰にあふれた御言葉を語った。
自身が担当する高円寺教会で昨年一年間に出た受洗者数が94名を数えたことを紹介しながら、「神の福音宣言はすべての現場で実現する」「(私たちを通して)神がどんな場で、それをどのように伝えられて実現されるか、それが楽しみだ」と語った。
「教会が始まってたったの2000年。1000年は神の目から見れば1日に過ぎないとある」「私たちはまだ初代教会。永遠に消えない聖霊の火が燃え、熱い思いになる、その現場が教会でありたい」と語り、当時パレスティナという小さな地域から世界へと福音を熱く伝えた初代教会の姿を、現代の諸教会が今こそ取り戻してほしいと訴えた。