「建国記念の日」を迎えた11日、教育基本法や君が代斉唱の強制に反対する市民団体らが、全国各地で「建国記念の日」の意義を問う集会を開いた。
広島市内で行われた集会では、君が代強制問題を扱ったドキュメンタリー映画「君が代不起立」で話題を集めている、町田市立鶴川第2中学校教諭の根津公子氏が講演を行った。
毎日新聞(12日付)によると、根津氏は講演で、「不起立は、『日の丸・君が代』に疑問を持つことさえ許されなかった子どもたちに、多様な考えに触れる契機になっている」と指摘した。
一方、沖縄県那覇市で行われた集会では、日の丸・君が代強制問題予防訴訟の弁護団事務局長を務める、弁護士の加藤文也氏が講演を行った。
加藤氏は講演で、教育現場の卒業式・入学式において日の丸掲揚と君が代斉唱の強制を通達した東京都教委の「10・23通達」に関し、「多様な思想・信条を押さえ付け、一つの価値観で他者をがんじがらめにした」と批判。また、加藤氏は、昨年9月に行われた東京地裁での判決で東京地裁が日の丸・君が代の強制を「違憲」と認めたことを評価し、「教職員には起立や国家斉唱の義務がない」と主張した。
日の丸・君が代強制問題に関しては、先日9日に、入学式や卒業式で国旗に向かって起立し「君が代」を斉唱しなかったことなどを理由に、東京都教委から懲戒処分を受けた都立学校の教職員ら173人が、都に処分の取り消しと損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたばかり。卒業・入学シーズンが間近に迫り、今後さらに日の丸・君が代強制問題の是非を問う動きが活発化しそうだ。