柳澤伯夫厚生労働大臣が1月27日松江市の自民党県議の集会で「女性」を「子どもを産む機械」と同列に表現したことについて、日本キリスト教協議会(NCC)女性委員会は2日付で「柳澤伯夫厚生労働大臣の発言に抗議し、辞任を求める声明」を発表、6日までにNCC公式サイトに掲載した。「女性を人として尊重せず、差別に無自覚な、言葉による暴力」と非難している。
同委は、「『いのち』が機械によって産み出されるかのような発想をキリスト者女性は赦すことができない。『いのち』は人の思いや計画のために生産されるものではない」と述べたうえで、柳澤大臣の発言は「いのち」の尊厳と誕生の神秘を軽んじる感性から発せられたものであるとして柳澤大臣の厚労相としての資質を否定している。
また、柳澤大臣の発言が少子化問題に関連してなされたことについて、声明は、生まれてくる子どもが安心して生きていける環境を整えることこそが最優先課題であると指摘。厚労相の使命は「1人の人間として尊ばれ、家族や社会に喜びをもたらす存在として迎え入れられる」ために、「すべての人の生存と安全な生活を保障する社会を、共につくり出す」ことであるとして、国会議員を辞職するよう求めている。
柳澤大臣は昨年9月に厚労相に就任した際、知人から聞いた聖書の「見失った羊」のたとえ(ルカ15・4−7)を引用して「今行方の分からない1匹をどうしても探して救う。これこそが、福祉の原点」と話していた。