特定非営利活動法人(NPO法人)「チャイルド・ファンド・ジャパン」(理事長:深町正信、以下チャイルド・ファンド)は7日、企業5社と協力して、「チャリティ古本市2006“夏!古本キャラバン”」を開催。企業の社員などから集められたおよそ7000冊の古本が、キーコーヒー本社の会場に並んだ。
この催しは、チャイルド・ファンドが取り組むフィリピンの子どもたちと家族・地域への自立支援活動を応援することを目的に、東京都港区内に立地する企業・団体の社会貢献担当者によるネットワーク「みなとネット」が主体となって毎年夏に開催されるもの。売上げはすべてチャイルド・ファンドに寄付される。
チャイルド・ファンドは、戦後、日本の戦災孤児を支援したアメリカの民間企業CCF (Christian Children’s Fund:キリスト教児童基金)の日本事務所であった社会福祉法人基督教児童福祉会(CCWA :Christian Child Welfare Association)によって75年に設立(当時の名称は、国際精神里親運動部)。キリスト教精神を基盤に日本のNGOの草分けとして、アジア諸国の中でも特に貧困で苦しむフィリピンを中心に海外協力活動を実践してきた。
チャイルド・ファンドの支援活動により回復したいくつかの地域では、住民が自力で生活協同組合などを設立し、自立を始めている。
小学校1年生から大学2年生まで支援を受けたフィリピン在住のアドニスさんは、現在、ハイスクールで数学を教える3児の父である。支援を受け始めた当時、アドニスさんの家はあまりにも経済的に貧しく、家の中は子どもたちが楽しく遊べる雰囲気ではなかったという。「(チャイルド・ファンドの)センターに集まって、里子同士でゲームをしたり、絵を描いたり工作をしたことが楽しい思い出です」と当時を振り返る。小学5年生のとき、家事の途中に大火傷を負い、一年間の入院を余儀なくされたときも、チャイルド・ファンドからの支援によって入院が可能となり、癒着してしまったひじとひざの関節を曲げるようにする手術も無事に受けることができた。
「火傷をした経験やスポンサーの方との手紙を通した交流により、困っている人を助けることの大切さを学びました。3人いる自分の子どもたちにもこのことを伝えていきたい」とアドニスさんは語る。
05年の法人変更に際して現理事長の深町正信青山学院院長は、「主のお導きのもと、私どもは、すべての子どもたちが幸せに成長できるように、平和、平等、正義と愛に満ちた社会の実現を目指して、引き続き奉仕と支援活動に力を注いでまいります」と同法人の活動方針を語った。
キリストの愛の実践を通して、社会に福音を知らせる同団体の働きに、今後も注目が集まりそうだ。
「チャリティ古本市2006」は入場無料。11日(金)まで連日開催される。開場時間は11:30〜19:30(入場は19:00まで)。10日(木)午後6時からは、会場のJT本社のJTアートホールアフィニス(東京都港区虎ノ門2-2-1)で、フィリピンの演奏家が参加するコンサートが開催される。こちらも入場無料。来場者にはコーヒーの無料サービスに加え、清涼飲料水がプレゼントされる。最終日の11日は、Jエナジー本社新日鉱ビル(東京都港区虎ノ門2-10-1)が会場となる。