熊本市のキリスト教主義の福祉施設「慈愛園」のメンバーらが発足させた点訳ボランティアグループ「ななほし会」が、今年で創立30周年をむかえ、23日熊本市の神水ルーテル会館で記念の集いを開催した。
30年間点訳を指導してきたのは、熊本県立盲学校の元教諭で全盲の前田司さん(71)。前田さんは、人間はそれぞれ与えられた能力を発揮すれば社会に役立つことができる、体の許す限り頑張っていきたいと語った。今月には、熊本県と県立盲学校から感謝状が贈られている。同会設立の中心となったのたは、慈愛園の家庭福祉相談所メンバーたち。集会には相談所の初代所長ノーマン・ドーデンさん(69)も米国から祝いに来た。
同会のメンバーは、神水ルーテル会館で週に1回集まり、点訳に取り組んでおり、これまで五百冊以上を点訳した。点訳本は、熊本県立盲学校などに寄贈してきた。慈愛園家庭福祉相談所が主催して、毎年点訳教室もおこなっている。
慈愛園は、1923年日本福音ルーテル教会のモード・パウラス宣教師を創立者として設立された。現在は子供ホーム「エスターホーム」や特別養護老人ホーム「パウラスホーム」、家庭福祉相談所、デイサービスセンターなどを運営している。