2004年の難民数は2003年から4%減少し、1980年以来最低の920万人となった。一方、援助対象者は前年の1700万人から1920万人に増加した。援助対象者は、アフリカやアジアなど諸地域の難民の他に、庇護希望者、帰還民、無国籍者、国内避難民(IDPs)などが含まれる。
UNHCRは難民数が4年連続で減少した主な理由を、「難民が大規模で故郷に自主帰還した2001年末以来、故郷に帰還を果たす難民が増えため」とみている。帰還した人の合計は500万人以上にのぼる。アントニオ・グテーレス新高等弁務官は「難民数が減り、帰還民数が増えたことは喜ばしいが、1920万人1人ひとりが避難を強いられたトラウマに苦しんでいることを忘れてはならない」と話した。
UNHCRの援助対象者数の増加は、主に国内避難民や無国籍者などが増えたことが原因とされている。
6月20日が「世界難民の日」(World Refugee Day)に定められたのは、2000年12月4日に行われた国連総会。同日は、OAU(アフリカ統一機構)難民条約の発効を記念する「アフリカ難民の日」(Africa Refugee Day)だったが、難民の保護と援助に対する世界的な関心を高めるため、「世界難民の日」となった。
UNHCR駐日地域事務所では、今回5回目を迎える「世界難民の日」に際して18日からUNハウス(東京都渋谷区)で写真展を開催している。テーマは「勇気」。展示される作品は、きわめて困難な状況下にありながら強く生きる、難民の「勇気」を映し出している。7月13日まで。問い合わせ:03-3499-2310(同団体・広報課)