米国東部地域を襲った大型で強いハリケーン「イサベル」による被害を受けた地域では、民間人を動員しての復旧作業が急がれている。
しかし被災地域がワシントンDCやノースキャロライナ、バージニア、メリーランド、デラウェア、ニュージャージーなど東部全域にかけて依然かなり多く、現地の住民らは停電と給水断絶及び食料不足で三重苦を経験している。
東部地域での停電被害は550万世帯に及んだという報告を受けた。北バージニアの場合、被害地域では停電件数が97万1000世帯、そのうち昨日午前までに約52万8000世帯で復旧が確認された。メリーランド中部とバルティモア全域では65万世帯の被害のうち45万3000世帯で復旧が確認された。
約130万世帯が停電被害を被ったワシントン地区では、20日から21日にかけての集中的な復旧作業で大幅に改善されたものの、相変らず完全復旧には時間がかかることが卵zされている。同地区ではまだ60万世帯で電気の復旧のめどが立たず、伝記のない生活を余儀なくしている。
米東部の電力会社らの話によると、被災地一帯の電力が完全復旧されるのは26日以降になると見ている。現在は職員を総動員して復旧作業に取り掛かっている。そうした中、土砂崩れなどで復旧作業中の職員ら25名が死亡した。
これに加えて、電気の復旧に急ぐ被災地では水道水の供給の途絶えた地区も多く、被災者らは飲み水の確保に厳しい状況を強いられている。
バージニア州リッチモンド市政府は給水問題解決にまだ日数がかかると伝え、現在の水道水の飲料や料理用としての使用を禁止し、住民らに注意を呼びかけた。
保健政府も洪水及び水不足で水道水の貯蔵量にも問題があり、食器洗浄の際も水道水使用をしばらく慎むよう促した。
これに伴って一部のホテルと食堂では普段の食器を使わず、これを全て紙製品で代用した。
停電と断水による障害が依然回復せず、被災者らは炊事にも困難を経験している。電気の供給が途絶えているため、冷蔵庫に保管していた非常時の食糧も利用できず、大型スーパーマーケットや商店は一時休業するところも相次いでいる。
また被災地の一般住宅街や道路周辺の散乱した雑木やゴミなどの処理にも手をつけられない状態。
連邦政府の災害管理局(FEMA)と州政府関連団体らも被災者支援と復旧作業に総力を挙げているが、依然働き手の不足している所が少なくない。
このような状況の中、アメリカの南部バプテスト教団の被災地救助隊による活動が地域住民らの大きな助けとなっている。アメリカ南部バプテスト教団は7州から集まった信徒らで被災地救助隊を形成。ハリケーンが爪痕を残したバージニア、ノースキャロライナ、メリーランドの被災地で復旧活動を展開している。
被害を受けた7州ではこれまでに少なくとも23人が死亡、450万世代が停電の暗闇の中に閉じこめられていた。
またサウスキャロライナとケンタッキー、ジョージアから集められた救助隊は簡易食堂を数ヶ所に設置して、バージニア、ピッツバーグなどで地域住民らに奉仕している。
南部バプテスト教団の救助隊はNAMB宣教会と協力してボランティアたちを訓練し、被害の特に大きい7州に集中して派遣している。