ルワンダの大虐殺から奇跡的に生還したキリスト者のイマキュレー・イリバギザさん(36)の手記『LEFT TO TELL Discovering God Amidst the Rwandan Holocaust』(邦訳『生かされて。』、PHP研究所)の邦訳版が、昨年10月の発刊後、この種の書籍では異例の出版部数3万5千部(8刷)をすでに突破していたことが、本紙の調べで18日、わかった。
本書は、94年にアフリカのルワンダで起こった大量虐殺の記録。イマキュレーさんは神を信じる信仰によって、死と隣り合わせの極限状態の中でも未来への希望と心の平安を与えられた自身の信仰体験をつづっている。最後にイマキュレーさんは、自分の中で燃え上がる憎しみの心までもすべて神にゆだね、自分の母と兄を殺して自分をも殺そうとした者の手に触れ、キリストの愛によって彼をゆるす。
イマキュレーさんは昨年11月来日し、慶應義塾大学で講演、安部首相の昭恵夫人を表敬訪問した。反響は予想以上に大きく、その後新たに2万部を追加出版した。
現在、イマキュレーさんはニューヨークの国連本部で働き、基金を設置して大虐殺の後遺症に苦しむ人々のために活動している。自身のことを「目的をもって神に『生かされた』人」とし、今もあふれる希望を持って生きている。
いじめや自殺など暗い話題が多い日本社会にあって、彼女の生き様の中に、日本の読者は本当の「光」をみつけたのかもしれない。