英国聖公会は、過去における奴隷の取り引きに連座した罪を懺悔するため、ロンドン市内で「十字架の苦行」を再現する。
英国聖公会の代表的指導者ローワン・ウィリアムズ・カンタベリー大主教とジョン・センタム・ヨーク大主教は、奴隷貿易廃止200周年を迎える今年3月24日、ロンドン市内で大型十字架を背負っていく数千人の巡礼者行列を先導する予定だ。14日付でサンディー・タイムズ紙が報道した。
同紙によると今回の十字架行進では、奴隷競売通知書を破って十字架から奴隷の鎖を解く場面を表現して、主イエスの十字架によって過去の罪から解放されたというメッセージを伝える。
行進の参加者らは、15世紀から19世紀初半までにアメリカに売られた約1000万人のアフリカ人奴隷の旅程を表現するため、テムズ川を渡ってロンドン市内までの街道を行進する。
英国全域の教会が連携し、バスで信徒約8000人を会場に送る計画だ。
参加者らは、東ヨーロッパにおける人身売買組織などを通じて西ヨーロッパの性売買の市場に売られてくる「現代版奴隷」が生まれることがないよう、政府の対策を促す請願書声明運動もあわせて行うという。
今回の行事は、聖公会が昨年2月の総会決議に従い、奴隷取り引きに関連する過去の過ちに謝罪の意を表明する公開懺悔告白の一環として行うもの。
ウィリアムズ大主教とセンタム大主教は、「同行事が奴隷貿易の傷を癒す過程の出発点となるよう願う」と語った。2人は、十字架を肩に背負っていく青年グループと共に行進する予定だ。
トニー・ブレア英国首相は、英国の奴隷貿易の活動に対して謝罪はしてこなかったが、2ヶ月前に深い遺憾の意を表明している。