全米各地で公民権運動の指導者として活躍した、日本でも有名な故マーティン・ルーサー・キング牧師の栄誉をたたえる大規模な記念パレードが15日、米ロサンゼルスで今年も開催された。アメリカでは彼の栄誉を称え、彼の誕生日に近い毎年1月第3月曜を「マーティン・ルーサー・キング・デー」と呼び、祝日としている。
会場のマーティン・ルーサー・キング通りでは午前11時から、色とりどりの花を乗せた150台の馬車や、ダンスグループ、軍楽隊がパレードを行った。
◇ 故マーティン・ルーサー・キング牧師 ◇
1929年にジョージア州アトランタの黒人牧師の家に生まれたもの静かで聡明な青年は、25歳でアラバマ州モンゴメリーの黒人教会の牧師になる。市バスでの差別に抗議した主婦が逮捕されたのをきっかけに公民権運動に加わったのは26歳。以来、反対派や警察から何度も暴行を受け、投獄された。胸を刺されて命を落としかけたこともあった。家に爆弾を仕掛けられたりもしたが、キング牧師は「 暴力には魂の力で応えるのだ」と訴え、暴力をつかわない運動を指導。「白人に対する黒人の勝利でなく、すべての人の自由と平等という勝利が白人と黒人がともに見るアメリカの夢」と説き続けた。
そして1964年、ついに公民権法が制定。キング牧師はノーベル平和賞を受賞する。しかし,非暴力主義に反対する力も台頭し始め、1968年4月、キング牧師は、テネシー州メンフィスに黒人清掃作業員の運動の応援に出かけとき、銃で撃たれ亡くなった。39歳の若さだった。
キング牧師の死後、彼の誕生日を記念して1月の第3月曜日は国の祝日となった。祝日となった個人は、キング牧師のほかはコロンブスと初代大統領ワシントンだけである。