米国のブッシュ大統領が今年のクリスマスを前にこのほど知人や支持者140万人にカードを送った。
ところが、カードには「メリークリスマス」のようにクリスマスを連想させる表現がなく、「希望と幸福の臨む祝日となるよう祈願する」という表現があるだけという。カードの受取人が非キリスト教徒である場合、「クリスマス」という表現は相手を不快にさせる可能性があるというのが理由。
米国のメディアも「大統領がクリスマス・カードを送った」の代わりに「大統領がホリデー・カードを送った」と報じた。一部のメディアは、毎年イエス・キリストの誕生を祝ったクリスマスが今や平凡な休日に転落したと批判した。
キリスト教団体も「メソジスト教会の熱心な信徒であるブッシュ大統領がこのようなことをするとは」と首を傾げている。大統領は04年の大統領選で、人工妊娠中絶の禁止などキリスト教の保守的な倫理観を前面に出した公約を掲げていた。保守派のキリスト教団体、米国家族協会などは「メリークリスマス」という表現を使わない百貨店や大型マーケットなどで不買運動を実施している。