イラク・アッシリア正教会の会員で14歳の少年が先月、武装集団に首を切断され惨殺されていたことが8日、同教会傘下のメディアの報道でわかった。
殺害された少年は、イラク中部バクバの発電所に勤めるキリスト教徒。先月21日午前6時に複数の同僚と一緒に職場へ向かう途中、武装集団に襲われ、その場で殺害された。
同僚たちの証言によると、武装集団は少年らに身分証明書の提示を求め、少年がキリスト教教会員であることが分かると、「キリスト教徒になると、罪を犯すのか」と聞いた。
質問に対して少年が、「キリスト教徒だ。罪は許されたから、もう罪人ではない」と答えたところ、武装集団は少年の身体を縄のようなもので縛って押し倒し、「神は偉大だ」などと叫びながら持っていた刃物で少年の首を切断したという。
少年がキリスト教信徒であることを知って集団が逆上したことから、捜査当局はイスラム教の武装勢力であるとみて集団の行方を追っている。
イラクでは宗教的な理由でキリスト教徒らが犠牲となる事件が相次いでいる。先月11日には北部モスルでアッシリア正教会の聖職者が武装勢力に拉致された後、頭部と肢体が切断された状態で見つかった。同日、この事件を聞いたキリスト教指導者がバグダッドから現場に向かう途中、何者かに襲われ殺害された。