米国に本拠を置く人権擁護団体、中国援助協会(CAA)の発表(1日付)によると、中国吉林省長春市で26日午前4時ごろ、長春農業大構内にある教会「農業大家庭教会」を500人の警官を含む数百人の土木作業員が取り囲み、就寝していた教会員を強制退去させた上で住居兼集会用建物を強制撤去するという事件が発生した。
報告によると、建物は、平日は食料品店を営み、日曜日などは礼拝や集会の会場として利用されていた。また同教会の信徒が多数居住していた。
この教会は近隣地域のキリスト教徒によって運営されており、地域では大規模な集会場として知られている。聖書主義に基づく保守的な信仰をもって地域で伝道を展開し、10年の歴史がある。近隣の政府公認教会との提携を政府から求められていたが、頻繁な嫌がらせや脅迫を受けながら教会を守ってきた。
同市当局は強制撤去を「都市計画に基づく景観の整備」としている。だが、事前の退去命令や撤去告知は無く、居住者や信徒らは困惑を隠しきれない様子という。