人権弁護士として中国で著名な高智晟氏が今年8月中旬に秘密警察に逮捕、身柄を拘束され、現在も消息が分からないことが1日、キリスト教人権監視団体「殉教者の声」カナダ支局の発表でわかった。 夫人と2人の子どもも高氏の逮捕以降、自宅に軟禁された状態だという。同団体を含む人権擁護組織の弁護士らが高氏の即時解放を警察当局に要求を続けている。
高氏の逮捕事実は逮捕から5週間後の9月21日、国家転覆活動を扇動した容疑で初めて公表された。
高氏は、北京市内で法律事務所を経営し、2005年11月に同市法務局から業務停止と資格剥奪の処分を受けるまでは、人権問題や信教の自由を扱う中国では数少ない事務所として知られていた。高氏は同年10月に胡錦涛中国国家主席と温家宝首相に対し、信教の自由の尊重および法輪功に対する非人道的な取締りの中止を訴える公開質問状を送付しており、これが業務停止処分の背景となった可能性も高いとみられている。
高氏は免許剥奪後、中国西北地方、新疆ウイグル自治区のキリスト教の家庭教会、いわゆる地下教会の指導者たちに対する弾圧に関する調査報告書を出版した。中国共産党からも離党しており、公安当局から日常的に追尾、監視されていたという。