米紙クリスチャンポストによると、米元大統領ビル・クリントン氏は15日、福音主義キリスト教徒らに対する賞賛と批判を行い、キリスト教徒の言う「大罪」とは彼らが「真理を完全に占有している」という信念のことであると批判した。
ニューヨークの異宗教間相互理解のためのタネンバウムセンターでの授賞式でクリントン氏は、福音主義キリスト教徒らが地球温暖化や最貧国の負債緩和のために努力していることを賞賛し、「福音主義キリスト教徒らは、私が大統領としての任務を終える最終年での史上初の負債緩和イニシアティブの際、とても助けとなってくれました。なぜなら福音主義者らは貧しいものの重荷を軽くするという聖書の訓戒を信じているからです」と述べた(AP通信)。
しかしながら、米国リベラル派及び保守派の用いる「大罪」という言葉に関するクリントン氏の言及は、福音主義聖職者らの反感を買った。
クリントン氏は、「米国の政治的伝統を受け継ぐ米国民にとって大罪とは、自分に敵対するとして宗教を無視し、その力を否定し、それに関わることを拒否することでした。しかし、クリスチャン、キリスト教団体にとって、彼らの大罪は、真理を自分たちが完全に占有していると信じていることではなかったのかと考えます」と述べた。
これに対し、米国聖職者協議会会長のロブ・シェンク牧師は、「ビル・クリントンは誰の罪をも定める立場にはありません。すべての真理を知るのはイエス・キリストです。私たち福音主義者が『真理がある』と言うとき、何故そう言うかといえば、それはただ私たちがキリストを知っているからなのです。キリストこそが『道であり、真理であり、いのちなのです』」と述べた。
サザンバプテスト教会員のクリントン氏は、妊娠中絶、同性愛に賛成する立場を取っているため、実際には行われなかったがバプテスト教会総会で一度、クリントン氏を除名する決議が成されたことがあるという(AP通信)。