【ローマ(AP通信)】伊内務省は25日、「ダヴィンチコード」の映画促進ポスターをローマ教会の修復中の外壁から取り除きたいというローマ教会聖職者による要求を受け入れ、ポスターを除去する決定をしたという。
この「ダヴィンチコード」の巨大なポスターにはレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」と近日公開予定の映画のタイトルが印刷されており、ローマ市大通りに面したサンパンタレオ教会の修復中の外壁に数週間貼り付けられている。
ローマ聖職者の広報担当者であるマルコ・フィッビ牧師によると、この公開予定の映画はローマ聖職者らの中でよい評判を得ているわけではないため、ポスターが問題を引き起こす要因になっているという。
ローマカトリック教会職員らはダン・ブラウン氏によるベストセラー小説や5月19日に公開予定のトム・ハンクス主演の映画に対し、再三反対している。
このダヴィンチコードの話ではイエスはマグダラのマリアと結婚し、一子を儲けており、ヴァチカンにもっとも近い宗教組織である“Opus Dei”が中心となってこの事実を隠蔽しているという。
サンパンタレオ教会教区牧師のAdolfo Garcia Duran師はAP通信に対し、
「ダヴィンチポスターはキリストと教会に反することを宣伝しています」と述べたという。
この教会を所有する伊内務省は外壁修復業者にポスター剥離の要請をし、数日中にでもこの巨大なポスターは剥される予定であると伝えた。政府高官はローマ聖職者らからこの巨大なポスターの除去申請書簡を受け入れたことを明らかにした。
ローマでは建築物の壁にポスターを貼り付けることはごく普通の広告宣伝手段である。
“Opus Dei”やその他教会職員らはイタリアのローマカトリック枢機卿で昨年ダン・ブラウン氏の小説の販売に対するボイコット運動を提唱したTarcisio Bertone師と共に、この小説の内容に異議を唱えている。
ダン・ブラウン氏の小説内では残忍な権力欲に支配された信者の集まりの宗派のように述べられている組織“Opus Dei”は「ダヴィンチコード」の内容はカトリック教会のイメージを変質させる架空小説であると述べているという。
最近行われたローマカトリック教会の説教では、「ダヴィンチコード」というカトリック教会のイエスに対する教えを否定することで莫大な利益を得るような虚偽の理論を激しく非難した説教もあったという。
この説教はローマのフランス人司教によって行われたものであるという。その説教の中では「ダヴィンチコード」と具体的名前は挙げなかったが、明らかにその映画のことを示唆して非難していたという。
説教者は「だれもこの偽りの理論の波を治めることに成功していません。それどころか、そのような虚偽の理論に塗り固められた映画の公開によって偽りの理論の大ブームを引き起こそうとしています」と述べたという。