【エルサレム(AP通信)】何千人ものキリスト教巡礼者らがエルサレムの細い通りに聖金曜日、イエスの十字架の道を辿るために集まった。
巡礼者らは“the Via Dolorosa"という湾曲した道にごったがえした。この道はイエスが十字架の死を迎えるのに十字架を背負い歩いたという伝説が残る道である。
この行列はイエスが復活したといわれる地に立つ復活の教会まで続いた。
この道に沿ってインド、フィリピン、ドイツ、スペイン、インドネシア、フランス、スイス、イタリア、その他多くの国々からの礼拝者らが祈り賛美を捧げた。礼拝者らは十字架の道を辿りながら、イエスへの死刑宣告、イエスの埋葬を静かに黙想した。
巡礼者の中には十字架の道の途中で日ざまづいて礼拝する人もいた。
イスラエルアラブ系キリスト教徒が巡礼者のなかでももっとも大多数を占めていた。
米国カリフォルニア州から毎年この聖金曜日にイスラエルへ来てイエスの最後の道を当時のイエスの姿に仮装して歩く集団がいる。彼らは今年も同様聖金曜日の正午に巡礼者の列に仮装して加わった。
茨の冠をかぶり血まみれたイエスを装った男が赤と金の衣装を身に着けたローマ兵士の姿を装った男に追われながら木製の十字架を背負って復活の教会まで歩いた。しかしながらイエスの服装を真似ることは、キリスト教の一部宗派では冒涜であるとみなされていることから、彼らは復活の教会にはあえて入らなかったという。
エルサレムに聖金曜日に来るのが今年で3回目になるオランダ人ローマカトリック教徒のHans de Mol氏は
「今年はいまだかつてなくエルサレムの雰囲気が穏やかです。3年前にはもっと多くの軍人がいました。それなのに今年はそのような緊張感があまりありません」とエルサレムが平和になってきた印象を述べたという。