【ワシントンD.C.(米クリスチャンポスト)】28日、キリスト教活動団体、政府、ハリウッド関係者およびその他の米国文化活動指導者らが2日間にわたって、キリスト教、ユダヤキリスト教的価値観に対する広範囲に亘る反論について議論する会議が開かれた。
ワシントンD.C.オムニショーラムホテルの舞踏場には、400名ほどの福音主義者らが詰めかけ、「クリスチャンの直面する諸問題、および2006年の価値ある投票者」についての会議を行った。この2日間に亘る会議では、「キリスト教の迫害最前線からの報告」、「キリスト教における紛争に直面するユダヤ人」、「ハリウッド-歪んだレンズを通して見るキリスト教徒」、「神の臨在を無視した司法制度」、「我々の信仰を投票箱へ」などと題されたパネルディスカッションが活発に行われた。
米コックス・ニュースサービスによると、今回の会議における講演者で前米国政府与党院内総務のトム・ディレイ氏は、「我々の信仰は常に世俗の価値観と真っ向から衝突しています。我々は、結局、必要に応じて社会に対して何百万人もの無垢なる胎児を殺害し、聖なる結婚を汚す妊娠中絶反対運動を広めるなどのキリスト教に基づいた社会運動をしていますが、肝心なキリスト共同体自体の扱いが世俗の世界では二流の作り話のようにしか扱われていません」と述べたという。
今回の大会は米テキサス州バプテスト教会牧師のリック・スカーバラ師によって設立されたキリスト教政治政策提唱団体"Vision America"により後援されており、ディレイ氏の他、今回の大会の講演者にはテキサス州およびカンザス州の共和党議員、その他保守派キリスト教指導者らが含まれていた。
今回の会議主催者で長らくテキサス州ヒューストンでバプテスト教会牧師職を務めているスカーバラ牧師は、「今回の会議は、キリスト教徒に立ちはだかる反感に関する全ての局面について議論する最初の会議です。しかしこの会議で私たちは単に不平を言い合うだけではなく、キリスト教徒が世俗の価値観に立ち向かい、世俗の文化に勝利し、本来のアメリカの姿を取り戻す戦略を提供します」と述べた。
会議を主導した"Vision America"は、反キリスト的内容の映画"V for Vendetta"の公開やキリスト教に改宗したアフガン男性の死刑判決など、最近の深刻な反キリスト教関連の出来事を受けて、今回のような会議の必要性が迫られたと語った。
スカーバラ師は、「'V for Venddetta'という映画には我々が今まで見てきた中でも最も強力な反キリスト教的メッセージが含まれています。この映画では将来の英国におけるキリスト教独裁国家を描いており、このキリスト教独裁国家が民衆の反意を買い、キリスト教以外の宗教を迫害する内容になっていますが、そのようなキリスト教独裁政権は世界のどこにも存在しませんし、存在しえません。しかしお気づきになられるでしょうが、ハリウッドではイスラム政権が暴力を用いてでも女性に男性よりも劣った地位の仕事を割り当て、テロ活動を支援し、反ユダヤ主義運動を主導し、イスラム教から改宗した人々を殺害するというような映画は製作していません。しかし、このような独裁政権は作り話ではなく、今現実に世界のあらゆるところに存在しているのです」とイスラム教国家に対する懸念の意を表明したという。