【ベルリン(AP通信)】イスラム教徒からキリスト教徒に改宗した男性に対する裁判に関するドイツメディアの批判を水曜日、アフガニスタン高官が否定し、今回の改宗の件で死刑宣告はありえないと述べた。
アブドル・ラーマンさん(41)は先週カブールで裁判にかけられた。彼は先月彼の家族からキリスト教徒に改宗したという告発を受け逮捕された。アフガニスタンのイスラム法統治下においては、改宗は犯罪の一つであり、改宗することによって死刑判決の可能性もあり得るという。
ドイツ外相フランク・ウォルター・シュタインマイヤー氏は、今回の事件について重大な問題であるとの見解を示した。野党政治家のレイナー・ブルーダール氏は独紙"the Bild daily"に対し、「もしアフガニスタンが法体制をすぐにでも改革しないのならば、ドイツはアフガニスタン援助を停止することを考慮しなければならない」と述べた。
それに対し、アフガニスタン経済相のアミン・ファルハーン氏は独紙"the Neue Osnabruecker Zeitung daily"に対し、「ドイツ政治家の熱狂した感情的な反応によってアフガニスタン国民が迷惑しています」と述べたという。
ファルハーン氏はまた、「過激派イスラム教徒は改宗で死刑を要求しますが、今回のラーマン氏の件で死刑宣告が公式に言い渡されることはありえません」と断言したという。
ブッシュ政府はアフガニスタン政府に火曜日、ラーマン氏が、イスラム教徒が大多数を占めるアフガニスタンにおいて信仰を維持することができるようにという内容の控えめな懇願書を提出したという。米国務省は同盟国に、このような裁判を終わらせるために過激派テロリストに対立の姿勢を取るように、とは促さなかったという。
米国政府高官によると米国政府は、アフガニスタンの主権にあまり干渉したくはないのだという。
今回の改宗裁判はアフガニスタンでタリバン政権が追放されて以来初めてのもので、宗教的保守派と改革派の間にある争いを強調するものであったという。
ドイツはNATO治安部隊として2000人ほどの軍隊をアフガニスタンに派遣しており、アフガニスタン警察を再建する支援をしている。
また米国はアフガニスタンに1万8千人以上の軍隊を派遣している。