米国で唯一、安楽死を認めているオレゴン州の法律に対し、ブッシュ政権が見直しを求めている問題で、連邦最高裁が5日(日本時間6日)、審議を開始した。
同州では、末期患者への安楽死のほう助を認める法律が97年から施行されているが、ブッシュ政権は「自殺目的の薬物投与は違法」との理由から反対の立場を示している。
安楽死反対派は「これは医療ではない。患者の生命を奪う行為であり、自殺と同罪だ」などと訴えている。一方、賛成派は「政府や法律は個人の死ぬ権利に立ち入るべきではない」などとしている。
AP通信などによると、先週、最高裁長官に就任したジョン・ロバーツ氏は、初日の審議で安楽死に対し否定的な意見を述べている。連邦最高裁では9人の判事が多数決を下す。
ロバーツ氏は司法省勤務時代に妊娠中絶の権利を認めた最高裁判決(1973年)を再検討すべきだとの趣意書に署名したことがあり、大統領を始めとする保守派勢やキリスト教系倫理団体から支持されている。