米上院本会議は9月29日(日本時間同30日)、ワシントンのホワイトハウスで、米連邦最高裁長官に指名されたジョン・ロバーツ氏(50)の長官就任を賛成多数(78-22)で承認、キリスト教系諸団体は生命倫理を尊重する新長官の誕生に歓迎の意を表明した。
ロバーツ氏は「すべての世代は憲法を支え、守っていく責任がある」とあいさつし、同氏を指名したブッシュ大統領と同様に、司法当局に保守派の影響力を浸透させる姿勢をにじませた。
米キリスト教主要団体「クリスチャン連合」(Christian Coalition)のロベルタ・コムズ代表は同日、「ロバーツ氏が圧倒的多数の賛成票をもって長官に就任したことを歓迎する」と声明を発表した。声明で同代表は、ロバーツ氏が国家と司法の自治精神を尊重することを期待するとしている。
「倫理と信教の自由委員会」(Ethics and Religious Liberty Commission)のリチャード・ランド代表はロバーツ氏について「法の哲学と知性、情熱を兼ね揃えた、偉大な司法官の1人として数えられるだろう」と賛辞を述べた。
ロバーツ新長官は司法省勤務時代に妊娠中絶の権利を認めた最高裁判決(1973年)を再検討すべきだとの趣意書に署名したことがあり、大統領を始めとする保守派勢やキリスト教系倫理団体から支持される一方、リベラル派から問題視されていた。
最高裁長官長官の任期は無期限で、引退か死亡まで立場が保証されている。共同通信によれば、ロバーツ氏は、1801年に45歳で就任したマーシャル長官の後では、最年少。キリスト教団体を含む保守派の間は、司法の独立と保守的な司法判断が長期的に期待できるとの見方が支配的だ。
ブッシュ大統領はロバーツ氏に対し「思慮深い判断を下し、司法の独立を強固に守り、憲法の忠実な番人となるだろう」と期待を示している。
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