カナダで20日、同性間の結婚が合法化された。同性婚を認めた国はオランダ、ベルギー、スペインに次いで世界で4カ国目。
カナダでは下院が6月に同性婚を合法化する法案を可決したのに続き、上院も19日深夜、同法案を賛成47、反対21、棄権3で可決。最高裁判事の承認を経て20日に発効した。
同法は、同性婚を裁判所や市役所など公共機関でのみ受理できるとしている。カナダではアルバータとプリンスエドワードアイランドの2州以外の8州が、すでに同性婚を認めている。
法案では、新しい結婚の定義は公的機関によるもので、宗教機関は信仰に基づいて結婚を定義できるとし、これまで法案に強く反対したキリスト教徒ら宗教者に配慮を示した。事実上、宗教者の主張は取り残された格好となった。
法案の可決について、反対派団体「カナダ結婚保護」代表、チャールズ・マクベティ氏は「連邦は教会を侵略した。連邦と教会を断絶させた上、宗教用語を再定義してしまった」と強く非難した。マクベティ氏はカナダ・キリスト教大学学長。
マクベティ氏は「次期政府は同性婚を再検討するだろう。そのときは正常な判断が他を圧倒するはずだ」と語った。
2003年にカナダで同性婚を認める最初の州となったオンタリオとブリティッシュ・コロンビアでは、毎年、数百組の同性カップルが結婚式を挙げているという。