訪米中のベトナムのファン・バン・カイ首相は21日、ワシントンのホワイトハウスでブッシュ米大統領と会談した。両首脳は、ベトナムで宗教の自由を推進することで合意、「ベトナムの人々が自由に礼拝することを容易にする」(ブッシュ大統領)主旨の文書に署名した。ベトナムでキリスト教徒など宗教者が弾圧されているとの国際的な懸念に応えた形で、ブッシュ大統領は「画期的な合意」と評した。ロイター通信社などが22日(現地時間)報じた。
報道各社は、ベトナムの世界貿易機関(WTO)加盟にブッシュ大統領が前向きな姿勢を示したことが、合意文書の署名に結びついたと指摘している。ベトナム首相による訪米はベトナム戦争終結後初めて。
ロイター通信によると、大統領は共同記者会見で、カイ首相の招待を受け、2006年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の機会をとらえベトナムを訪問する意向を表明した。カイ首相も両首脳が2国間関係だけでなく地域・世界情勢について協議したことに触れ、「米越関係は新段階に入った」と宣言した。
両首脳の会談中、ホワイトハウス周辺では数百人が、「信仰弾圧を止めろ」などと書いたプラカードを掲げ、ベトナム共産党政権下の人権弾圧に抗議した。