英国ノッティンガム市で21日(現地時間)より開催中の全聖公会中央協議会(ACC)で、米国聖公会の代表は同日、同性愛者の聖職就任や同性愛に関する独自の見解を発表した。発表は「同性間関係のホーリネスに対する認識の高まり」と題した報告書でなされ、神聖な人間関係について「貞節や誠実さに代表される、相手から神の似姿を確認し得る神聖な愛に特徴づけられる関係」と定義、同性間の性愛を擁護する姿勢を改めて表明した。
同性愛に対する認識は米国聖公会内でもさまざまある。今回の発表に向けて、米国は同性愛者に対する聖職就任許可に至るまでの神学的経緯をまとめる特別委員会(7人)を設置した。説明が協議会で正統と認められない場合、米国聖公会はコミュニオン脱退に大きく前進することになる。
同聖公会は、03年11月に同性愛者を教区主教に就任させたことについて、全世界の聖公会組織、アングリカン・コミュニオンから説明を要求されていた。
発表で、米聖公会は「キリストは、これまで理解されなかった事柄に対する、私たちの目を開かせようとしている」「同性愛と異性愛は、生物的または文化的な違いに過ぎず、十字架と復活の御体(みからだ)を通して、共通の救いにあずかっている」などとした。
同性愛者であることを自ら認めているジーン・ロビンソン氏(58)を主教に就任させたことについては、「多くの審査官が、候補者の選出と按手のために祈り、認識を共有できたことを通して、聖霊の導きを感じた」と説明した。
文書作成にあたった委員会のメンバー、フレデリック・ボーシュ監督は、委員の間でも意見が分かれたと明かす一方で、発表された内容は、同性愛者が誠実な関係を保ちながらキリストに従う道を求められることを、聖書学的、神学的、倫理的に説明していると評価した。
また米国聖公会は、08年まで、聖公会の国際集会への参加を見送ると発表。同年のランベス会議では、一連の同性愛問題に対するコミュニオンの統一見解が決定される予定だ。