世界福音同盟(WEA)暫定国際コーディネーターのジェフ・タニクリフ氏が、5月にフロリダで開催された国際会議で、「CEO」(最高経営責任者)と国際コーディネーターに選出された。同氏は、WEA傘下の200団体を結ぶ国際情報ネットワーク、WEAと他団体との連絡網を今後1年かけて整備すると明かした。同氏が米キリスト教紙クリスチャンポストの取材に対して19日(現地時間)語ったもの。
WEAのCEOとして同氏は、各国の会員団体から寄せられる幅広い要望の窓口であるWEA国際本部(カナダ・トロント)の指揮を執る。同本部は、世界の福音派教会の中枢機関として、関連団体と連携し、国際問題に対する発言や取り組みを代表して行う。
同氏は、WEAが世界の福音派共同体の代弁者として発言する必要があり、発言の機会が増えるとの認識を示した。WEAは最近、国連などの国際機関や報道機関とのかかわりを通して、福音派の声を世界に発信している。
「CEO」は従来の「総主事」にあたる新ポストで、基本的に総主事と同様の立場にある。国際コーディネーターは、WEA内の協働作業を指揮する役割を担う。タニクリフ氏は、アジア、アフリカ、南米、欧州、米国の各地域に代弁者を配置する計画を遂行中と明らかにした。代弁者はWEAを代表して各地域の重要課題に対する意見を構築し発表するWEA公式報道官となる。南半球で教会が急成長していることから、タニクリフ氏は、これらの地域から発せられる声がWEAに大きな役割を果たすとの確信を示した。
経済的な課題について問われたタニクリフ氏は、「いくつかの財団や教会が新規の支援希望者として名乗りを上げている」と期待を語った。国際本部をカナダ福音連盟本部の建物内に移転したことも維持費や人件費の削減に大きく貢献した。同氏は「世界はキリスト教を代表する強力な組織を必要としている。信教の自由、キリスト教会への弾圧と迫害、改宗問題、貧困、エイズなどの課題について話し合いが必要とされているとき、WEAはキリスト教徒一人ひとりの代弁者として、彼らの声を議論の場まで届ける使命を負う」と語った。
他の教派との超教派的な取り組みについて、タニクリフ氏は、主要な社会問題に関して可能と述べた。カナダでは、同性結婚などの倫理的課題でキリスト教諸派が団結を求められていた際、カナダ福音連盟が同国のカトリック教会と連携して活動したことがある。