東アフリカのエリトリアでキリスト教徒に対する弾圧が激化し「危険域」に達していることが25日までに、米宣教団体「オープンドアーズ」の報告で分かった。
オープンドアーズが現地時間23日付で発表した報告によれば、牧師16人、キリスト教徒900人が、刑務所、軍部の監視下にある監禁施設、船舶用コンテナで礼拝を開いている。同国では、キリスト教徒は政府による認可を受けた教会以外で集会を行うことが禁じられている。
米宣教団体「サンタ・アナ」によれば、エリトリアで未認可の教会が摘発された場合、礼拝出席者は収監されるか、政府高官の監督のもと裁判で処分を決定される。
オープンドアーズ代表、カール・モーラー氏は「信仰を理由に逮捕されたキリスト教徒の数は昨年、過去の平均の2倍に上った」と明かし、逮捕された人々は、子供を含め、炎天下に置かれた船舶用コンテナの中に閉じ込められるなどの拷問を受けていると報告した。同氏によれば、今年2月、日曜学校でキリスト教会についての授業を行ったとして、教師と多数の子供たちが逮捕されたという。
同団体によれば、エリトリア国家保安省は先週、同国の教育省内に保安部門を設置した。情報筋によれば、国内のすべての教育機関で宗教活動が行われないよう監視する専門部門という。
サンタ・アナは地元情報筋の話として「学内で行われるキリスト教活動を生徒に報告させる施策が確認されている」と伝えた。
世界福音同盟(WEA)信教の自由委員会は今年3月国連人権委に提出した報告書で、エリトリアを北朝鮮などと並んで「国家次元のキリスト教弾圧が行われている国」として憂慮の意を表明した。WEAによれば、同国では今年1月だけで200人のキリスト教徒が逮捕されており、逮捕者は児童生徒、ジャーナリスト、政府の方針に異議を唱える与党議員に及ぶ。
また米・国際宗教自由委員会(USCIRF)の報告書が今月発表した報告書では、宗教弾圧を行っている「特に懸念のある国」に挙げられている。