中央アジア・カザフスタンで14日、宗教法を含む憲法改正案が国会に提出された。国家の保安が目的という。同案は同国の議会(下院)で賛成多数を得て可決され今月、国会に提出された。
法案は「国内の国際および外国系非営利団体の本部および支部の活動に関する件」「非営利団体関連の諸課題に対する特別条例の追加と追記に関する件」に言及し、国会で可決された場合、宗教団体など非政府組織に対する法的規制がいっそう強化されることになる。
カザフスタン宗教団体連盟のアレクサンドル・クルシェフ理事は通信社の取材に応じ、「法案は非公認宗教団体の活動制限と団体運営法の厳格化が目的。信教の自由を著しく侵害する」と指摘した。
法案は、政府から法的認可を受けない公共・宗教団体による諸活動を運営・支援、または活動に参加した場合、処罰されるとしている。また未登録の宣教師には賃金15ヵ月分以下の罰金が科せられ国外追放される。
同法案が国会に提出されたことを受けて、複数の国際NGOが連名で政府に法案の否決を求める抗議文を提出した。NGO代表らは抗議文でカザフスタン国内の国際団体と支援団体の会員の安全を懸念している。
中央アジアの旧ソ連諸国では武力弾圧による強権支配が続いている。カザフスタンに隣接するウズベキスタン各地で、今月13日から14日にかけて、大統領の辞任を求める大規模な反政府暴動が起き市民5万人以上が参加した。現地通信社によれば、13日の衝突で治安部隊は庁舎周辺に集まった市民に機関銃を発砲、兵士たちは倒れた女性や子供らにとどめを刺して歩いた、と伝えた。近くの映画館でも約1500人の市民に装甲車の治安部隊が発砲、数十人が死亡した。一部の報道では、死者は数百人にのぼるとされている。 (ChristianPost.com)