世界教会協議会(WCC)代表、サムエル・コビア総幹事(写真左)が14日、ギリシャ正教会の主教らと会談した。
会談はギリシャで開催中の世界宣教伝道会議で実現、WCCと東方正教会との今後の関係について協議した。コビア氏はWCCを代表して会議の開催・運営に労した正教会に感謝の意を表明するとともに、正教会の会議参加が実現したことを「前進」と評価した。
ギリシャ正教会からは、同教会の最高指導者、クリストドウロス大主教(写真右)らが会談に参席した。コビア氏は「EU(欧州連合)が急速に拡大するなか、ギリシャ社会が多くの課題に直面している。中でもモダニズムとポストモダニズム、世界の国際化における社会経済の根本的な変化、若年層に広がる精神的、実存的諸問題が顕著だ」と指摘し、ギリシャ正教会が神学的、精神的、人的・物的資源の分野で担う役割は大きいと強調した。その上で、同氏は、全正教とWCCが将来的な協力関係の締結に向けて活発な交流を進めたいとの意向を表明した。
WCCによれば、クリストドウロス大主教は正教会のWCC参入に対して楽観的な見方を示し、WCC内の正教会関連特別委員会の改革を提案した。同委は1998年、当時正教会がWCCの運営主体等について批判したことを受けてWCC内に設置されていた。
大主教は同委の改革について「正教会と全WCC加入団体にとって有益なもの」と期待感を示した。
コビア氏は大主教の提案を歓迎し、ギリシャ正教会と他の正教会がWCCのエキュメニカル運動に「傍観者ではなく、主唱者として参加している」と強調した。また特別委の改革はWCCに本質的、文化的な影響を与えるとした上で、キリスト教会の新しい交流を通して21世紀の諸課題に新しい展望がみえると評価した。(ChristianToday.com)