「ミッションバラバ」の生みの親であるアーサー・ホーランド師は4日、東京ホライズン教会(平野耕一牧師・東京都世田谷区)で「喜びへの招待ーYou are loved!」という題目で講演し、伝道集会を行った。ホーランド師は、日本の若者の自殺率が高いことや沖縄から北海道まで40キログラムの十字架を抱えた日本一周の伝道旅行を行ったこと、また自分が神様を信じるようになったまでの経緯などについて語り、「自分の生を通して主を証していくべきである」と参加者に呼びかけた。
ホーランド師は、「日本には年間3万人の自殺者がいる」と話し、自殺者が多い日本社会の現状について言及した。さらに日本の多くが睡眠薬と安定剤を購入していることに触れ、人々の心の状態が不安定になっている今日を危惧し、警告を発した。ホーランド師によると、12年間のベトナム戦争におけるアメリカ兵の死者が5万1000人であるのに対し、日本の年間の自殺者数は2年間でそれを超える死者がいるという。
最近、心に不安を抱える若者が多くなっている。ホーランド師は数年前に神戸で起こった少年による殺傷事件に触れ、「少年は、『僕の心は透けて見える』と語った。詩篇1章1篇には『幸いなことよ。悪者のはかりごとに歩まず、罪人の道に立たず、あざける者の座に着かなかった、その人』とあるが、少年の心はまるでもみ殻のように中身がなく、それが現代人の姿である」と語った。
さらにホーランド師は、日本のクリスチャン人口が1パーセント未満であることに関して、新約聖書のルカの福音書15章にある一匹の羊を探す羊飼いの例えの話を引用し、日本のキリスト教を示し、「日本では99匹の羊が迷っている。」と語った。クリスチャン人口が増えない理由については、「型にはまっている姿がある」と指摘した。
ホーランド師が初めて教会へ行ったのは高校卒業後。柔道の先生に無理やり教会へ連れて行かれたことがきっかけだったという。アーサー・ホーランド師は、全米レスリング選手権チャンピオン(サンボ2回)、パンアメリカン選手権大会銀メダル、全米柔道選手権3位の経歴を持つ。現在は、日本キャンパス・クルセード・フォークライスト所属の伝道者として伝道に日々励んでいる。