茨城県日立市の茨城キリスト教大学(IC)では、最近学園宗教センターの一部を近隣キリスト教会の牧師に開放し、クリスチャンやノンクリスチャン学生たちと交わりを持てる場としている。
牧師は教派によらず訪れる。若者と目線の近い若い牧師が多いという。ときに数人の牧師が訪れ、宗教センター訪ねてくる学生と聖書を勉強している。また海外からの宣教師による英語での聖書勉強も開かれている。
宗教センターでは毎週火曜日、近隣教会の支援をもとに学生たちにカレーをふるまい、集まった学生たちに肉の糧だけではなく霊の糧として聖書の話もされるという。また「キネマノマネキ」と題しメルギブソン監督の映画「パッション」やミッションバラバをテーマにした「親分はイエス様」などを放映。キリスト教に触れたことのない学生が容易にクリスチャン文化に接する場を提供することで、宗教センターでは礼拝の参加を呼びかける機会を増やそうとしている。
毎週火水木と3回ある礼拝は、それぞれ空いた時間の異なる学生のために朝、昼、夕と時間帯をずらしてささげられている。以前行っていた全員参加が自由参加に変わったことにより参加者は減ったが、諸活動を通して礼拝に興味を持ち自分の意思で参加する意識の高い学生は増えたという。参加した学生はメッセージを聞き、感動を受けたり、聖書やキリスト教に対する質問を抱いて宗教センターに向かうという。
宗教センターチャプレンの野口良哉宗教主事は茨城キリスト教大学および学園全体のキリスト教教育にはスタッフが少な過ぎ、四千人の学生に福音を伝えるには近隣の牧師と協力して伝道していく必要があると語る。茨城キリスト教学園がどの教団からの支援も受けていないことで、地域から超教派的に牧師が集えることが、経済的な弱さの中にある神様が与えてくださった強さだという。
野口主事はリエゾン・オフィスの働きを通し、牧師や伝道者の焦点が教派の壁を越えてイエスキリストによる学生の救いに向かうことを願っていると話す。「以前は一人でも多くの学生を導こうと考えていましたが今は一人のたましいの救いを大事に広く浅い伝道ではなく、狭くても皆で深い伝道ができることを願います」と語った。