三浦綾子原作の小説「銃口」の舞台公演(劇団前進座)は、青森県青森市のぱるるプラザ青森で最終公演を行い10月30日、9月14日に始まった全国巡演を終了した。
台風の影響で9月8日に予定していた沖縄での初日が延期となるなど多少の調整があったが、大きな混乱もなく、今回で3回目の全国巡演は成功を収めた。
「銃口」は三浦綾子の晩年の作品で、北海道の小さな町にある小学校の新任教師、北森竜太の生涯を通してキリスト者の視点から15年戦争を描きながら「昭和とは何であったのか」を問い直した作品。生きる希望を「教育」に求めながら、はげしく移り変わる時代に翻弄される竜太の苦悩を通して、昭和から現代、そして未来へと引き継がれるべき 「平和」と「教育」の原点に迫る。
NHKでドラマ化されたこともあり、キリスト教関係者からも「いま、この時期に、平和の問題と人間の良心と存在の尊さを描くこの作品が舞台になって、広くみなさんに見ていただけることはとてもうれしいこと」と賛同を受けていた。