悪はなぜ存在するのか? 聖書は悪はどのように描いているか? キリスト教神学は悪の問題とどのように取り組んできたのか?
現代の最も深刻かつ緊急のテーマである「悪」の問題を、キリスト教の立場から四つの視点を設定し、各専門分野の研究者が論究した共同研究。
既刊 『死の意味』 『性の意味』に続く第3弾。
宮谷宣史 (みやたに・のぶちか)氏は関西学院大学教授。
四六判 420頁 定価3,150円 新教出版社
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序 論…宮谷宣史
第一章 聖書における悪
旧約聖書とその源流に見る「悪」…飯 謙
イエスと悪…ダヴィッド・ヴィーダー
パウロにおける悪と罪…松木真一
―特にローマ人への手紙七章一四節b―二一節を中心に
第二章 西洋キリスト教史における悪(1)
オリゲネスにおける「悪」…梶原直美
「鈍感さ」(アナイステーシス)という名の悪
…土井健司
―ニュッサのグレゴリオスの悪論の一考察
アウグスティヌスにおける悪の問題…宮谷宣史
―『神の国』第二二巻を中心にして
人間の弱さをどう語るか…松根伸治
―トマス・アクィナスの罪の議論から
マイスター・エックハルトにとっての悪…中川憲次
第三章 西洋キリスト教史における悪(2)
戦争と非理性…木ノ脇悦郎
―エラスムスにおける悪
パスカル『パンセ』における悪 le Mal の意味…森川甫
ポウプにおける悪…大日向 幻
カントにおける「悪」と人間の主体性…土井かおる
第四章 現代神学における悪
大地の生…松原詩乃
―シモーヌ・ヴェイユにおける悪論
モルトマン神学における悪と罪責の克服…沖野政弘
―アウシュヴィッツ以後の神学をめぐって
子どもと悪…広渡純子
あとがき――悪に関する文献案内をかねて…宮谷宣史
(新教出版社)