・・・神に選ばれた者、聖なる、愛されている者として、あなたがたは深い同情心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身につけなさい。互いに忍び合い、・・・互いに赦し合いなさい。・・・そして、これらすべての上に、愛を着けなさい。・・・キリストの平和が、あなたがたの心を支配するようにしなさい。・・・また、感謝の心を持つ人になりなさい。・・・キリストのことばを、あなたがたのうちに豊かに住まわせ、知恵を尽くして互いに教え、互いに戒め、詩と賛美と霊の歌により、感謝にあふれて心から神に向かって歌いなさい。・・・(コロサイ3・12〜17)
2011年を大飛躍元年としましょう。しかし、「棚からぼたもち」のようなラッキーなことを求めるのではありません。私たちが神の恵みに潤されていく時、そこに伴うものは何でしょうか。それは私たちの成長です。主から油注がれた私たちは、必ず恵みをいただくことができます。恵みの中に、霊的な成長があることを忘れてはいけません。
今日の聖書は、キリストを信じて生きるとはどういうことなのか、クリスチャンの魂のあり方を説いているパウロの手紙です。たとえ私たちがどんなに弱く足りない者であっても、主は私たちを選び、神のしもべとして生きるように、私たちの人生を根底から変えて下さいました。完成品からほど遠い者であっても、主に油注がれた事実は変わりません。主に選び出された者“らしさ”を成長させていきたいのです。三つのことを共に分かち合いましょう。
1.油注がれた者として、人々に取るべき態度
油注がれた者として、どういう姿勢が大切でしょうか。同情、慈愛、謙遜、柔和、寛容、忍耐、赦し、そして愛。これらの良きものをもって、人々に向かいたいのです。なぜなら世の中の流れが、これとは正反対だからです。人をだまし、ごまかし、怒り、訴えること。会社や学校にいても、ふと、クリスチャンとしての愛をもって人に接することを忘れると、どれだけむかついて、腹が立っていることでしょうか。人に対する憎しみやねたみが多くなっている時代ではありませんか。私たちは、イエスによって愛されている者ですから、キリストの命によって、燃やされましょう。
しかし、力み過ぎないことが大切です。100点満点なんて取れるわけがありません。それでも、これらの良きものを思い出し、何か一つくらいは、新しい一週間の自分のテーマとしましょう。「神様、優しい寛容な心で、生かして下さい。自分の幸せしか考えないわがままな私から、人に分け与える慈愛を持つ者に変えられますように」と、キリスト者“らしさ”というものを意識して歩んでいきましょう。小さなことだから、やらなくていいのではなく、できることをやっていきましょう。それが生活を潤し、祝福します。
2.油注がれた者として、持つべき心
心という器は、人間誰しも持っています。大切なのは、心という魂の器の中に、何を満たしているかということです。キリストの平和、感謝の心、キリストの御言葉、神から与えられた教えや戒め、あるいは、神を感謝し賛美する霊の歌が、いつも私たちの心から溢れ、魂の器が満たされているようにしたいのです。
以前は、金儲けや趣味など、ただ自分を喜ばせることだけを考えていた私たちが、自然と「周りの人が救われ、教会の礼拝に来れたら、どんなに素晴らしいだろう」「この人が、病から癒されたら、どんなに素晴らしいだろう」「人生の目的を失い、働かないで、だらだら過ごすことしかできない人が変えられたら、どんなに素晴らしいだろう。そのために祈りたい」といつも、キリストから与えられた思いを、1%でも多く心の中に持っていたいのです。
3.油注がれた者として、取るべき行動
「あなたがたのすることは、ことばでも、行ないでも、すべて主イエスの名によってなしなさい」とあります。
会社や学校にいる時も、一人でいる時も、クリスチャンの自分を脱ぎ捨て、世の人に成り果ててしまわないように。人が「だめだ、できない。どうしてこんなこと」と愚痴を言う時、「私は祈り、神にあって積極的に考えよう」と油注がれた者らしく行動したいのです。たとえ周りに誰もクリスチャンがいなくても、あなたから、そして小さな部分から、クリスチャン“らしさ”を演出して行動しようではありませんか。
そもそも、私たち人間にはどうしても裏表があるので、自分の生活に戻る時、ふとイエスの臨在を忘れ、罪深い素の自分が出てしまいます。完璧ではなくても、今よりは一つでも二つでも、生きざまを神に向かって引き上げていきましょう。神が見ておられますから、普段から、全てのことを感謝して行動していこうではありませんか。それが、2011年の大飛躍を支える、私たちの側の信仰の受け皿の準備になるのです。大飛躍元年は、神から受ける大きな恵みだけで終わるのではありません。自分自身が成長していくことを体験する一年です。心の思いも魂も、実際の行動も、クリスチャンらしく成長していくことを願っていこうではありませんか。
◇
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(3)心を神に向ける 三谷和司
-
愛に生きることが最大の防御だ 菅野直基
-
救世軍、ブース記念病院を事業譲渡 7月から「タムス杉並病院」に
-
コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(1)一切は空 臼田宣弘
-
日本キングス・ガーデン理事長の宇都宮和子氏死去、81歳
-
全地総主教バルソロメオス1世、宗教界のノーベル賞「テンプルトン賞」を受賞
-
保育の再発見(29)カスハラの波に揺るがない保育環境を築くために
-
篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(221)聖書と考える「やぶさかではございません」
-
シリア語の世界(21)辞書1・ヨハネ黙示録の賛美歌4―7章10、12節― 川口一彦
-
ウクライナ戦争終結に向けた協議に対するキリスト教的考察
-
「森は海の恋人」の畠山重篤さん死去、81歳
-
救世軍、ブース記念病院を事業譲渡 7月から「タムス杉並病院」に
-
コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(1)一切は空 臼田宣弘
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(3)心を神に向ける 三谷和司
-
「カトリックジャパンニュース」がスタート カトリック新聞は休刊
-
ウクライナ戦争終結に向けた協議に対するキリスト教的考察
-
日本キングス・ガーデン理事長の宇都宮和子氏死去、81歳
-
東京で初の「赤ちゃんポスト」「内密出産」 賛育会病院が開始、国内2例目
-
「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る
-
ミャンマー、タイの被災地に現地入り 神戸国際支縁機構とカヨ子基金
-
「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る
-
キリシタン弾圧を描いた遠藤周作の代表作『沈黙』 絶望の淵で宣教師が得た答えとは?
-
「カトリックジャパンニュース」がスタート カトリック新聞は休刊
-
「森は海の恋人」の畠山重篤さん死去、81歳
-
救世軍、ブース記念病院を事業譲渡 7月から「タムス杉並病院」に
-
東京で初の「赤ちゃんポスト」「内密出産」 賛育会病院が開始、国内2例目
-
カトリック教会の大聖堂が焼失、ミャンマー軍事政権の兵士らが焼き払う
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(3)心を神に向ける 三谷和司
-
ミャンマー、タイの被災地に現地入り 神戸国際支縁機構とカヨ子基金
-
コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(1)一切は空 臼田宣弘