11日、パキスタン政府はシャバズ・バッティ氏を同国少数民族関係相に再任した。同国ザルダリ大統領内閣閣僚数は60人から22人に規模が縮小されたが、バッティ氏はそのまま少数民族関係相にとどまるかたちとなった。ザルダリ大統領は23日、天皇陛下と皇居・宮殿にて会見を行っている。ザルダリ大統領は2007年に暗殺されたブット元首相の夫である。
バッティ氏は2008年11月以来少数民族関係相として働いており、パキスタン政府閣僚としては初のキリスト教徒でもある。同氏が少数民族関係相として就任して以来、バッティ氏は同国で抑圧・迫害を受けているキリスト教徒およびその他の宗教少数派の人々への力強い声明を発信し、冒とく罪を誤って適用する事例に対して厳しい対応を取っている。
バッティ氏は在職期間中、パキスタン政府における少数派の雇用を5%確保し、上院議会で少数派のための議席4議席を確保した。また同国内すべての刑務所でのイスラム教徒以外の囚人のための祈祷室建設の承認を受けた。さらにはクリスマスをパキスタンの祝日に制定し、50以上の委員会による異宗教間の調和を図る活動を開始させてきた。そのためローマ教皇、聖公会大主教およびフィリピン大統領など世界各国の指導者たちの注目を集めてきた。
全パキスタン少数派同盟によると、バッティ氏はパキスタン内閣少数民族関係相再就任を受け、同国政府による就任式後に「イエスキリストのしもべとして苦しみの中にある人、迫害に遭う人々のために仕え、宗教の自由、人権特に我が国の少数派の人々の人権を守るために犠牲して行きたいと思います。困難の時に私たちの支持をしてくださり、また祈り、連帯心を持ち続け励ましてくださるすべての皆さまに感謝します」と話したという。
バッティ氏はパキスタンで冒とく罪による死刑判決が下ろうとしている初めてのクリスチャン女性アシア・ビビさんを擁護している。ザルダリ大統領はバッティ氏を少数民族関係相に再任し、同国で行われている冒とく罪に対する死刑判決の現状についての調査を託した。この件についてバッティ氏が調査したところ、ビビさんは無罪であることが判明したという。
世界福音同盟(WEA)CEOのジェフ・タニクリフ博士は、「私たちはシャハズ・バッティ氏がパキスタン内閣少数民族関係相に再任されたことをとてもうれしく思っています。バッティ氏は宗教少数派の人々を保護されるだけではなく、イスラム教徒とキリスト教徒の対話の道筋を開く主要なイニシアチブを発展させていかれることでしょう。バッティ氏が今後もパキスタン国内の多様な団体の間の橋を築き上げていかれることを信じています。バッティ氏のパキスタン国内での平和構築、寛容な国家の発展のためにできる限りの支援をいたします」と述べた。