改革派の米神学者でソブリン・グレイス・ミニストリーズ代表のC.J.マハネー氏は10日、米ケンタッキー州ルイビルにあるサザンバプテスト神学校の開講式で講演を行い、現代の米国教会で生じがちな高慢の罪について警告した。米紙クリスチャンポストが伝えた。
マハネー氏によると、キリスト教徒が真理に関する知識を良く知るようになると、高慢の誘惑が襲ってくるという。そのようなときに、プライドに満たされるのではなく、かえってより謙遜になり、神の恵みを覚えなければならないと警告した。
マハネー氏はパウロ使徒のコリント人への手紙を引用し、「コリントの教会の人々は福音の恵みの核心から逸れてしまって人間的な知識に魅了されるようになってしまい、その結果世の称賛を求めるようになっていった。現代の私たちも当時のコリントの教会の人々と同じような状況に置かれているといえるでしょう」と述べた。
マハネー氏は第1コリント人への手紙4章7節「いったいだれが、あなたをすぐれた者と認めるのですか。あなたには、何か、もらったものでないものがあるのですか。もしもらったのなら、なぜ、もらっていないかのように誇るのですか?」を引用し、高慢の誘惑が襲ってきたときは、つねにこの3つの質問を自分自身に投げかけるようにするように勧めた。
コリントの教会の信徒たちは、彼らの霊性・賜物そして確かな指導者が存在しているというアイデンティティを持っており、それを誇りにしていたが、パウロ使徒も警告するように、実際には彼らには奢り高ぶる基盤となるものはなにもない。
パウロ使徒の手紙から、マハネー氏は神様が彼らを救い、お選びになられ、福音の奥義を彼らを通して明らかにされたのであるとし、「すべては神から受け取ったものであり、自分で到達したものではありません。すべては神様の恵みによるものです」と神学生たちに話した。
マハネー氏は19世紀英国の説教者チャールズ・スポルジョン牧師の言葉を引用して、「信仰者はプライドを断つことを学ばなければならない」と伝え、奢り高ぶることは、神様の恵みを無視することでもあると指摘、「これから将来牧会をするようになるとき、高慢の誘惑が襲ってくるでしょう。もうすでに皆さんはいろいろなことを学んでいますから、高慢の誘惑に襲われることに慣れているのではないでしょうか。高慢の誘惑というのは私たちの人生すべてにおいて付きまとってくる罪であり、厳しい現実です。教育を受けた結果奢り高ぶってしまうという傾向・誘惑は確かにあります。そのような誘惑を受けたとき、これらの質問を思い出してください。謙遜になり、プライドを下ろすことが私たちの魂に良い効果をもたらします」と述べた。