09年度の65歳以上の高齢者に対する家族からの虐待件数が前年度比4・9%増の1万5615件であったことが22日、厚生労働省のまとめで分かった。調査を開始した06年度以降3年連続の増加となる。
このうち虐待による死亡者も同8人増の32人と、最も多かった06年度に並んだ。また、老人ホームなどの介護施設職員による虐待件数も前年度比8・6%の76件で過去最多だった。
調査は、06年4月に施行された高齢者虐待防止法に基づいて、都道府県及び市町村に寄せられた相談・通報のうち、実際に虐待があったと判断された件数を集計して実施した。
被害者のうち77・3%は女性。加害者は「息子」が41・0%で最も多く、「夫」が17・7%、「娘」が15・2%と続いた。死亡者の内訳は「介護者による殺人」が17人、「介護放棄(ネグレクト)による致死」が6人、「暴行などによる致死」が5人など。