聖書の御言葉によるキリスト者の霊的成長を目的に開かれた超教派の聖会「第1回聖書聖会」(同実行委員会主催)最終日の14日には、午後に第4回目の集会が開かれた。聖会は大阪府八尾市のグレース宣教会・グレース大聖堂を会場に、12日から14日までの3日間の日程で行われ、全4回の集会で延べ約920人が参加した。一昨年の日本ケズィック・コンベンション講師で米アラバマ州ディアフット・バプテスト教会主任牧師のロジャー・ウィルモア氏は、全集会を通してヨハネの手紙一を本文に講演し、キリスト者としての救いの確信と、聖書に示されているキリスト者生活について説いた。(関連記事1 2 3)
ウィルモア氏は第4回目の集会で、ヨハネの手紙一5章13節を本文に、キリスト者として人が新しく生まれ変わったことの聖書的な証拠を5つ挙げながら、キリスト者生活の指針を示した。
第1は信仰。ウィルモア氏は信仰について、「キリスト者生活の出発点と同時に、それを保つために必要な力でもある」と重要性を強調した。また、「信仰の強さは私たちが信じる対象による」と語り、「あなたの信仰が強いのは、あなたが信じるイエス・キリストが強い方だから」だと説いた。
さらに、聖書の正統性に言及し、テモテへの手紙二3章15節から17節を引用しながら「キリスト者が聖書の正統性に疑いを持つのは健全ではなく、危険なこと。神の御言葉に信仰をおかなければならない」と語った。ローマ人への手紙8章38節から39節も引用し、「私たちは神の約束に信仰をおくことができる」と強調した。
第2は希望。ウィルモア氏は、コリントの信徒への手紙一15章19節を引用し、「キリスト者はいまある地上においても、のちに来る世においても希望を持つことができる」とキリスト者の希望を語った。また父の家に場所を用意しに行くと語られたイエスの言葉(ヨハネ14・1〜6)を引用し、「この世は私たちの家ではない。この地上ではときに困難に陥り、落胆することもあるでしょう。しかし、実はそこは通過しているだけで、私たちは別の世界に行こうとしている。あなたもその希望をもっていますか。永遠が保障されているという確信がありますか」と問い掛けた。
第3は愛。ウィルモア氏は、ヨハネの手紙一4章20節から21節を引用し、神がキリスト者に求める愛とは、自分が愛せる者だけを愛する愛ではなく、愛することが不可能と思える相手さえも愛することのできる超自然的な愛だと説いた。さらに、キリスト者が示しあうべき愛は、神の人間に対する無条件の愛(ヨハネ3・16)で、「私たちが人々を愛する前に、彼らが私たちの条件や期待を満たす必要はない。愛すべき人たちを愛するに過ぎない」と語った。
第4は喜び。ウィルモア氏は、「キリスト者は喜びや幸せに満ちあふれている人でなければならない」と強調した。また、キリスト者の救いの喜びは、周りの環境に影響される性質のものではないとし、F・Bマイヤーの言葉を引用し、「私たちのうちに王なるイエスがおられるとき、キリスト者生活の上にはためく旗は喜び」だと語った。
第5は従順。ウィルモア氏は、ヨハネの手紙一2章3節を引用し、「イエスを信じて新しく生まれ変わっている証拠は、従いたいという思いをもつこと。これこそ、キリスト者生活にとって非常に重要なもの」と強調した。ルカによる福音書6章46節「わたしを『主よ、主よ』と呼びながら、なぜわたしの言うことを行わないのか」を強調し、「あなたは従順なキリスト者ですか」と参加者に問い掛けた。
最後にウィルモア氏は、全集会の結論として、キリスト者のいのちのしるしとして20の項目をヨハネの手紙一から挙げ、「あなたの命のしるしはどうでしょうか」と参加者に問い掛けた。20項目は次の通り。
1.神の光の中を歩んでいる(1・6)
2.神の人々と交わりをもっている(1・7)
3.自分の罪深さに対する鋭い感覚をもっている(1・8、10)
4.神の御言葉に根ざして従順に生きている(2・3、5)
5.世の人々を魅了する事柄に、もはや夢中になっていない(2・15)
6.神の目に正しいことを行っている(2・29)
7.主の再臨を切に待ち望んでいる(3・2)
8.聖い生活をすることを望んでいる(3・3)
9.罪深い行動からますます自由になっている(3・6〜10、5・18)
10.他のキリスト者に対して真実な愛がある(3・14、4・7)
11.あなたの愛を言葉と行いによって表している(3・18〜19)
12.自分の良心に責められることがない(3・21〜22)
13.聖霊が内住しておられる(3・14、4・13)
14.真偽を識別する能力がある(4・6)
15.イエス様が神の子だと告白する(4・15)
16.イエス様がキリストだと信じる(2・22〜23、5・1)
17.「勝利の信仰」を示している(5・4〜5)
18.神の約束を信じる(5・9〜10、12)
19.神の御言葉の目的に信頼している(5・13)
20.神の子から理解力を与えられている(5・20)