ヴァイオリニストのジョン・チャヌ氏が、今年度の聖書事業功労者賞に選ばれた。表彰式は、12月9日に行われる日本聖書協会主催のクリスマス礼拝で執り行われる。
同賞は、聖書の普及に貢献した個人や団体をたたえようと、日本聖書協会が毎年主催し、今年で21回目を迎える。昨年度は、現存する最古の和訳聖書「ギュツラフ訳聖書」の翻訳に携わった愛知県美浜町出身の音吉ら3人の功績を伝える、音吉顕彰会会長で前美浜町長の斉藤宏一氏が受賞した。
ジョン氏は岡山県生まれ。5歳でヴァイオリンを習い始め、桐朋学園大学を卒業後、1969年、フランス政府の奨学生としてパリ国立高等音楽院に入学。同大卒業後、韓国国立交響楽団、東京交響楽団、韓国KBS交響楽団など、オーケストラの主席コンサートマスターを歴任した。2000年6月には、朝鮮半島で初めて実現した南北首脳会談を記念しての南北統一コンサートを開催し、大きな反響を呼んだ。
2001年3月には、同年1月にJR大久保駅で線路に落ちた人を助けようとして命を落とした日本人と韓国人の青年をしのび、同駅で追悼コンサートを開催した。このコンサートをきっかけにクリスチャンとなったジョン氏は、現在も各地でコンサートを開催し、いのちと愛の大切さを訴えている。
表彰式を兼ねた12月9日のクリスマス礼拝は、東京都千代田区の日本基督教団富士見町教会で午後3時から。日本聖書協会理事長の大宮溥氏がクリスマスメッセージを伝える。