【CJC=東京】イラクの首都バグダッド中心部で10月31日夕、銃を持った武装グループがサイダート・アルネジャル・カトリック教会を襲撃し、信者など約120人を人質にして立てこもった。数時間後にイラクの治安部隊が突入した。犯人らは手りゅう弾などを身にまとい、自爆攻撃を行ったという。
イラク警察によるとして報じられたところでは、武装グループは、拘束されているアルカイダのメンバーを釈放しなければ人質を殺害すると脅迫していた。この事件で容疑者8人が逮捕された。
現場に居合わせた英紙ガーディアンの記者は、同日夜のミサが始まろうとしたところへ銃を持った男たちが乱入した。当時教会の中には約50人がいて、神父が奥の部屋へ誘導したという。人質になっていた男性の証言によると、神父は武装集団が教会を急襲した直後に殺害された。
米CNN放送が警察調べとして報じるところによると、37人が死亡、57人が負傷した。犠牲者の中には犯人と治安要員のほか、人質少なくとも7人が含まれるという。
現地の米軍当局は、救出作戦の際に人質7〜10人のほか、イラク治安部隊7人、武装グループ5─7人が死亡したと発表。負傷者は最大30人に上るとしている。
今回の攻撃については、事件後にスンニ派の武装集団で結成されたアルカイダの関連組織『イラク・イスラム国』と名乗るグループがウェブサイトに犯行声明を掲載した。
武装集団は同日午前、中心部にある証券取引所を襲撃した後、近くにある教会に押し入ったと見られる。取引所を襲撃した武装集団は、イラク政府に人質の解放と引き換えに刑務所に収監されている受刑者らの釈放を要求していたという。