今年没後100年を迎えるロシアの文豪・トルストイと交友のあった岡山出身の神学者・小西増太郎(1861〜1939)の遺品などを展示する「トルストイ没後100年記念展」が倉敷市児島味野の国指定重要文化財「旧野崎家住宅」で始まった。トルストイが小西に贈った聖書などが展示されている。12月5日まで。
製塩業で栄えていた野崎家の秘書を務めた小西は1886年、同家からの支援でロシアのキエフ神学大学に留学。モスクワでトルストイと知り合い、共同で「老子」のロシア語訳を行った。帰国後はトルストイの作品の翻訳などに努め、トルストイの死の直前には再びロシアへ渡り面会。日本人としては唯一、葬儀にも参列した。
記念展では、トルストイが小西に贈った聖書を中心に小西の翻訳本など計約100点を展示。聖書にはトルストイが重要と考える箇所に入れた赤や青の線が残っている。このほか、トルストイの影響を受けた有島武郎や島崎藤村らの著作なども展示している。
入館料は一般500円、小中学生300円。土日・祝日は高校生以下無料。月曜休館。問い合わせは、同住宅(電話:086・472・2001)まで。