幕末に建設された旧横須賀造船所(横須賀市)内の天主堂にあった祭壇がカトリック横須賀三笠教会(同市)でも使われていた可能性が高く、100年以上にわたり受け継がれていたとみられることが「横須賀の文化遺産を考える会」代表の長浜つぐお氏の調査研究で分かった。神奈川新聞が伝えた。
旧横須賀造船所内の天主堂「聖ルイ教会」は横須賀市では最初のキリスト教会としてフランス人居留区に1867年までに建てられたとみられ、80年にフランス人が全員帰国したことで閉鎖された。
しかし、同教会の神父が教会の再建を目指して1883年、横須賀三笠教会の前身となる中里教会を開設。終戦後の1948年に移転して横須賀三笠教会となり、74年の建て替えを経て現在に至っている。
長浜氏は今年7月、知人のフランス人から聖ルイ教会にあった祭壇の写真を入手。建て替え前の横須賀三笠教会内の写真と比較したところ、形状や彫刻から同一の祭壇を使っていた可能性が高いと分析した。また、中里教会に通ったことのある信徒らの証言から、中里教会時代も同じ祭壇を使っていたとみている。
一連の研究結果は11月3日、横須賀市深田台の市自然・人文博物館で開催される郷土研究発表会で長浜氏が報告する。問い合わせは、同博物館(電話:046・824・3652)まで。