少しずつ秋の気配が感じられる季節になりました。朝晩の涼しい風がとても心地良く感じられる今日この頃、あの猛暑の日々が随分と昔のことのように思えます。
秋と言えば、お芋に栗、そしてきのこ。それと今の時期に出回るお豆もやわらかくて、お家で煮るにはもって来いのごちそうです。やっぱりまた食べ物の話になってしまいました。
食べ物の他にも秋と言えばスポーツの秋が挙げられます。体を動かしやすいこの季節、皆さんも何か体に良いことをなさっていますでしょうか?
それから芸術の秋と言うのもすてきですね。外出するのが楽しみになるこの季節、皆さんも美術館や音楽会などにお出かけなさって、ひと時の癒しを求められてはいかがでしょうか?
私にとっての芸術の秋はdas Ballett「バレエ」です。こう見えても(少しですけど)子供の頃と、何年か前にも習っていたことがあるのです。私がバレエをやっていたことをお話すると、大抵はder Volleyball「バレーボール」の方を想像されてしまうようで、心身共に体育会系の私は「こっちの方が似合うのかな」と思ったりもしていました。
一見優雅で芸術的な踊りのように思われるバレエですが、日々練習を重ねているBallerinen「バレリーナたち」の運動量と言うのはそれはそれは大変なものなのです。トゥシューズで何回転もするなど想像以上に至難の業です。
バレエがハードなエクササイズだからと言って魅力を感じているわけではありませんが・・・。私が心を打たれるのは、後ろで踊っているいわゆる「その他大勢のバレリーナたち」なのです。彼女たちの一糸乱れぬ動きには毎回感動させられます。
ところでドイツの秋と言えば(またまた食べ物の話になってしまいますが)der Zwiebelkuchenツヴィーベルクーヘン「玉葱のケーキ」とder Federweisserフェーダーヴァイサー「新ワイン」がsehr bekannt「とても有名」です。ドイツ人はこの二つをテーブルのメインにして、秋の収穫をお祝いするのです。
Der Zwiebelkuchenは日本でもdas Rezept「レシピ」を探すことが出来ますが、der Federweisserは葡萄ジュースがワインへと変わる発酵過程のものなので、現地でしかその新鮮さを味わうことが出来ません。秋のドイツを訪れる機会がありましたら是非お試しあれ!ただしアルコール度数が高いので記憶喪失、その他の Nebenwirkungen「副作用」にはどうぞご注意下さい。
マタイによる福音書第12章でキリストは「どんな国でも内輪で争えば、荒れ果ててしまい、どんな町でも家でも、内輪で争えば成り立って行かない」と語られています。
先ほどお話しましたバレリーナたちの素晴らしさは、彼女たちが「その他大勢の一人」であるにもかかわらず、完璧な舞台を見せるためだけに必死の思いでそれぞれの振付をマスターしているということなのです。誰か一人でも自分だけ目立つように動いてしまったら、その舞台は台無しになってしまうでしょう。
それぞれのeine Gesellschaft「社会」においても、目立たない所で働いている人がたくさんいます。もちろん全ての人がeine Primaballerina「主役のバレリーナ」になれるわけではありません。けれども目立たない所できちんと支えていてくれる人達こそが、それぞれの eine Gesellschaftをしっかりしたものにしているのです。
これから皆さんもバレエを鑑賞する機会がありましたら、後ろの大勢のバレリーナたちにも是非注目して下さい。彼女たちの汗と涙の練習量が強く伝わってくるはずです。
芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋、そして食欲の秋。どうぞ皆様の心と体がそれぞれの関心を通して実り多く、また健康にまもられた秋となりますように。
【by Tokyoterin - 東京在住の女性クリスチャン】