【南アフリカ・ケープタウン】香港の中国神学研究院学長、余達心(英名:Carver Yu)氏は18日、ケープタウン2010の全体集会で講演し、聖書の真実性を支持する姿勢を保つよう呼び掛けた。
余氏は、「『無神論』という新しい宗教が生まれようとしている」と指摘した。多様なイデオロギーが混在する現代で、宗教全般に対する無関心や、聖書の真実性に対する不信感が人々のこころを支配しつつある。英国などでは、キリスト教と諸宗教に敵対的な宣伝活動が無神論者によって展開され始めているという。
このような社会の中でイエス・キリストをどう証ししていくのか。余氏は、福音をイエス・キリストという「道」「いのち」「真実」と定義した上で、この福音を恐れず大胆に宣言しなければならない、と強調した。余氏は「イエス・キリスト以外に、神の存在に対する不信感から人々を導き出す方法はない」と語った。
ドイツ・グライフスヴァルト大学副学長で神学部長のマイケル・ハーブスト氏は講演で、ドイツでは親の世代でキリスト教信仰が著しい減少傾向にあり、その結果、子の世代で「人生に信仰は重要ではない」という無神論が固定観念化されているとの見解を示した。「真実はひとつである」という考えや一神教は危険で傲慢であり、ときに暴力的だとみなされる。「唯一絶対の真実など存在しないという結論こそが究極の真実であり、それ以外は一長一短で不完全であるから、信仰は密かに信じるだけの個人的なものであるべきだ」という考え方が広く定着していると指摘した。ハーブスト氏は、クリスチャンは信仰を個人的な思想に留めたり、沈黙したりすることなく、真実に仕え、真実に従って実際の生活を生きることを通して「下からの目線で」信仰を表明する必要があると述べた。
トリニティー・フォーラム共同創設者のオス・ギネス氏は続く講演で、現代の精神社会にとって聖書的信仰は排他的で非寛容的な、党派心の強い非常識な思想として映っていると説明した。ギネス氏は、聖書的視点は聖書を拒絶する人を含む現代の人類に不可欠な、いま語るべき重要な信仰だと強調した。
ギネス氏は、聖書の真実性を信じない自由主義的な信仰のクリスチャンを「危険な存在だ」と述べ、「信仰は無意味だ」という世俗社会に加担しているのと同じであると非難した。