【南アフリカ・ケープタウン】ローザンヌ世界宣教会議議長のダグラス・バーザル氏は17日夜、いまだ福音の届いていない民族や部落の数は次回のローザンヌ会議までにゼロになるべきだと語った。
午後7時から行われた開会式で、バーザル氏は地球規模の宣教課題に教会が立ち向かうとき、地球規模の議論が不可欠だと指摘した。そのためにはローザンヌ会議が本当の意味で全世界のクリスチャンの運動になる必要があると述べ、キリスト教以外の信仰者を含む全人類に福音を紹介する効果的な方法を見つけ出すべきだとした。
バーザル氏は、ローザンヌ会議が世界最大の多様性を誇るクリスチャンの運動として成長し、全世界のキリスト教会の声が最も反映される場として認識されることを願っていると述べた。
ローザンヌ運動成熟への過程では、聖書の全言語翻訳と全人類への福音の到達が避けて通れない、とバーザル氏は話す。宣教学者、故ラルフ・ウィンター氏が第1回ローザンヌ会議で世界の教会に提唱した「福音に触れたことのない民族(Unreached people groups)」という言葉を引用し、次回会議までに全ての民族に福音を届けられるよう祈ると述べた。
バーザル氏は中国政府の認可を受けていない諸教会、「家庭教会」の複数の指導者が当局の妨害で出国できず、今回の会議に不参加となったことに遺憾の意を表明。「彼らが何らかの不足や孤独を感じているとき、また、彼らのこころが、ここにいるわたしたちに向けられているとき、彼らに神の大きなめぐみがあることを切に祈る」と語った。
バーザル氏は、「わたしたちの未来は非常に明るい。なぜなら、神の約束があるからだ」と確信を述べ、世界中から集まった約4500人のクリスチャンと信仰をひとつにした。
開会式ではアフリカ文化を随所に取り入れた音楽と賛美、演劇のパフォーマンスを通してアフリカの各国が直面するさまざまな課題を表明した。
バーザル氏は、アフリカの諸教会の躍動感を体験して、アフリカの情熱と挑戦、苦難を共有すると同時に、この大陸に注がれる神のめぐみを発見しよう、と呼びかけた。また、教会がこの大陸の祝福の源泉になることを願うと語った。
ウガンダ国教会のヘンリー・オロムビ大主教はアフリカ諸教会を代表して本会議の参加者を歓迎し、「この大陸でローザンヌ会議が実現したことは奇跡だ」と喜びを語った。
世界福音同盟(WEA)総主事、ジェフ・タニクリフ氏は、ケープタウン2010が神の御国の発展を大きく前進させるだろうと述べた。また、クリスチャンが、社会の急進的な世俗主義や宗教的過激主義、エイズ問題、環境汚染など世界の諸問題に対する関心を深めて連携していくことが必要だと訴えた。
式では、ローザンヌ運動の創始者であるビリー・グラハム氏とジョン・スタット氏からケープタウン2010の参加者に宛てられた手紙が紹介された。
スタット氏は手紙の中で、1974年以降、世界各地のキリスト教会が成長していることをうれしく思うと述べ、「一人ひとりに対する神からの召命を大切に生きていこうではないか」と呼び掛けた。
グラハム氏は、前回のローザンヌ会議以降、世界が新しく直面している諸問題に積極的に取り組むと同時に、福音伝道という急務に全員で再献身を誓おうと呼び掛けた。