【南アフリカ・ケープタウン】1989年のフィリピン・マニラ会議から21年越しの開催となる「ケープタウン2010−第3回ローザンヌ世界宣教会議」は15日(日本時間同日)、会場のケープタウン国際会議場で参加者の受付を開始した。公式の受付は16日だが、「190カ国4000人を超える参加者が会議に円滑に参加できるように」(登録管理部門・トーフ氏)と柔軟な体制を敷いている。午後8時現在、大きな混乱はなく、すでに1000人近くの参加者が受付を済ませており、主催者側の配慮が功を奏しているようだ。
15、16日の2日間は、ケープタウン国際空港ではボランティアの送迎スタッフ約20人が参加者を温かく出迎える。空港から会場までは無料シャトルバスを用意。受付後は、宿泊ブースと交通ブースで宿泊施設を確認して、市内のエリア別に用意した大小の巡回バスへと案内し、参加者の安全性を確保した。国内の教会信徒で会場案内係のジェームスさんは「午後6時ごろには薄暗くなるので、旅行者が徒歩で帰るには心細い」と話す。最終日の25日までは毎朝、巡回バスが市内のほぼ全てのホテルを回って参加者を会場まで送る。
13人乗りの送迎バンを運転するボランティアのトムさんは「きょうは午前7時から一日中運転しています。運転は大変ですが、参加者の皆さんも何時間、何日もかけてケープタウンに来てくれました。世界中から集まるクリスチャンの兄弟姉妹のお手伝いができることを誇りに思います」とにこやかに証しを語った。
17日午前は現地教会の礼拝への参加が推奨されている。午後3時半からは、事前の登録内容に基づいて、言語、興味、専門領域などによって選り分けられた6人ずつの小グループに分かれて交流の時間を持つ。午後7時から開会セレモニーがあり、セレモニーではローザンヌ世界宣教会議の国際議長、ダグラス・バーゼル氏とケープタウン2010環アフリカ実行委員長で牧師のヘンリー・オロムビ氏が講演する。
本会議は18日から24日までの7日間を「福音」「世界」「教会」という3つのテーマに分けて進行する。21日を除く毎日、午前中は新約聖書「エフェソの信徒への手紙」から各テーマを学ぶ時間「セレブレーション・オブ・ザ・バイブル」と全体講演会を行う。午後は分科会と地域・テーマ別の対話集会、夜は全体講演、宣教の現状と課題をアジア、中東、中南米とカリブ諸島、アフリカ、ユーラシア・欧米の順に連日学ぶ講演会、映画祭を行う。21日の中日には参加自由の施設ツアーや勉強会があり、エイズ、貧困、青少年の育成など諸問題について話し合う。会議は24日午後7時の閉会集会で閉幕する。
15日に現地に到着した参加者の1人、インドのアッター・プラデシュ州にあるラル・バグ・メソジスト教会の主任牧師、アシシュ・ジョセフ・マックストン氏は、会議に現地参加できない全てのクリスチャンにも同じ祝福があるように、と話した。同氏の弟夫婦、アダルシュ氏とエスター夫人は大阪で宣教師として教会を牧会しているという。
オロムビ委員長は現地で手渡される公式プログラム冊子に寄せたメッセージで「われわれの祈りは、あなたが神の新鮮なご臨在を体験し、自身の奉仕の場でますます力づけられ、新しい出会いと永遠の友情を通して大きく祝されること。そして、これらによって教会に神の栄光があらわされることです」と語っている。
主催側によると、今回4000の参加枠に対して3倍以上の申し込みがあり、各国の福音主義クリスチャン人口を参考に抽選を実施した。参加者の60%が50歳以下、35%が女性、10%が一般社会の実業家や専門家になること、また、35%が主要国以外からの参加になるよう制限した。
現地で参加できないクリスチャンに対し、92カ国600カ所の登録制会場「グローバリンク・サイト」で行われる同時中継や、ソーシャル・ネットワーク・サイト「ローザンヌ・グローバル・カンバセーション」を利用した参加を呼び掛けている。詳細は公式サイトで。
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【写真】現地で受付開始 ケープタウン2010(1) | > |