【CJC=東京】米国の福音派諸教会では、日曜日に朝夕2回の礼拝に出席する長い伝統があった。それに今では変化が見られる。夕礼拝出席が減少傾向にあり、中には夕礼拝を止めてしまったり、他のやり方に変える試みも出ている。
ミシガン州グランラピッズの新聞プレスによると、同市のプリムスハイツ・キリスト改革派教会の音楽牧師ダグ・ドブリーズ氏は、人々が日曜夜は家族で過ごすようになり、また小グループで会うようになった、と言う。そうなると夕礼拝は資源の無駄遣いになりかねない。同教会の午後5時の礼拝は今も行なわれているが、出席者は朝礼拝の25%程度だ。
キリスト改革派教会(CRC)年次大会に提出された報告では、教会員の夕礼拝出席が1992年は56%だったが、2007年には24%に減少した。
アセンブリーズ・オブ・ゴッドでも2009年、会員数は286万人と1・2%増加したのに日曜日夕礼拝への出席者は41万6751人と6%減少した。
この減少傾向に、問題ではないとする見方から、教義を逸脱していると警告するものまで反応は様々。オランダ系教会の持つ歴史的な伝道拡大路線の自然な結果だ、という指摘もある。
グランラピッズでは、ルーズベルト・パーク・コミュニティ教会も、90年代半ばには175人だった出席者が40人に減ってしまい、夕礼拝を取り止めた。教会は朝の礼拝や子ども向けのプログラム、週日の宣教により多くのエネルギーをさけるようになり、伝道にも力を入れられるようになった。
「夕礼拝も最盛期にはすばらしいものだった。しかし歴史的にそうだったからと言って、同様に機能し続けることは出来ない。多くの教会にとって、それが厳しい現実だ」と同教会のレジナルド・スミス牧師。
ただ引退神学教師であるデービッド・エンゲルマ牧師から見ると、この厳しい現実は、夕礼拝を止める教会は、その霊的資産を無視していることに他ならない。「キリストが預言されていた大きな背教の明確な兆候」だと言う。RNS通信が報じている。
オランダ改革派教会での夕礼拝の伝統は、ハイデルベルク教理問答を牧師たちが教えていた16世紀にまで遡る。エンゲルマ牧師のプロテスタント改革派教会は1925年にキリスト改革派教会から分離したもので、今も夕礼拝を守っている。
一方、米改革派教会(RCA)系のウエスタン神学校のロン・リーンストラ教授などは、神が聖別されることを命じられるのは1週間に1日とキリスト者が考えつつあることに関心を抱いている。「2回の礼拝は、その日全部を主のものとする道だ。日曜夕礼拝の衰退は、わたしたちの文化がより世俗化すること。神に立ち返る聖なる時という感覚を失ってきたのだ」と言う。
夕礼拝を止めた教会で、別な形を採用している所もある。イースタン・アベニュー教会(CRC)では隔週日曜日夜に30分の礼拝と30分の食事、1時間の少人数の『契約グループ』の会合を持っている。
09年には200人以上がこのグループに参加、出席者が減少して止めた夕礼拝の代わりとすれば、それはよかったのでは、と教会主管のフレッド・ステレンバーグ氏は述べている。